概要情報
事件名 |
大手前高松高等(中)学校 |
事件番号 |
中労委 昭和62年(不再)第6号
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再審査申立人 |
学校法人倉田学園 |
再審査被申立人 |
香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合 |
命令年月日 |
平成10年 4月 1日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合が学園の許可を受けずに、休憩時間中に学園内で職場集会を開催したこと及び始業時刻前に職員室で組合ニュースを配布したことが就業規則違反であるとして、学園が組合員に対して戒告・減給等の処分を行ったこと及び職制を通じて職場集会を制止したり、組合ニュースを回収したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、中労委は、(1)職場集会参加を理由とする戒告・減給等の処分の撤回及びバックペイ、(2)組合ニュース配布を理由とする出勤停止処分の撤回及びバックペイ、(3)職場集会の制止及び組合ニュースの回収等の組合の運営に対する支配介入の禁止、(4)文書手交を命じた初審命令の一部を変更したほか、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
Ⅰ 初審命令主文第1項を次のとおり変更する。 1 再審査申立人は、再審査被申立人の別紙1記載の組合員に対する戒告、厳 告及び減給処分を各撤回するとともに、同組合員X1に対し減給処分による給 与減給分390円、同X2に対し減給処分による給与減給分970円、同X3 に対し減給処分による給与減給分720円、同X4に対し減給処分による 給与減給分630円、同X5に対し減給処分による給与減給分3,650円及 びこれらに対する昭和58年6月22日から支払済みに至るまで年5分の割合に よる金員を支払わなければならない。 2 再審査被申立人のその余の救済申立てを棄却する。 Ⅱ 再審査申立人のその余の再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
4830 代表者
高松校の生徒指導主事又は進路指導主事が、その職務内容からみて、雇入れ、解雇、昇進若しくは異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者又は使用者の労働関係について計画と方針とに関する機密の事項に接する監督的地位にある労働者その他学園の利益を代表する者であるとは認められないとされた例。
0200 宣伝活動
0202 会社施設の利用
職場集会の開催された時間帯、参加人数、場所、実施態様及び状況を併せ考えると、本件職場集会の開催は、生徒に教育上の支障を生じたり、学園の業務に支障を生じたものとは認められないので、正当な組合活動の範囲内の活動というべきであるとされた例。
0200 宣伝活動
0202 会社施設の利用
組合ニュースの記載内容及び配布の態様を併せ考えると、組合ニュースの配布は、これが生徒の目に多少触れたとしても特に教育上の弊害が発生し、生徒に対する教育的配慮に欠けるおそれのないものと認められ、また、これが他の職員の能率を低下させたり、職場環境の維持に支障をもたらすものとも認められず、正当な組合活動の範囲内の活動というべきであるとされた例。
3020 組合活動への制約
X6教頭補佐の職場集会を制止したり、組合ニュースを回収した行為は、学園の命令を受けて労務担当として組合の正当な組合活動として行われる情報宣伝活動を抑制するためになされたものであって、これは労働組合法第7条第3号に該当する学園の不当労働行為であるとされた例。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
X7ら3名は、組合を通じ、救済を求めない旨の意思表示をしていると認められるから、同人らを本件職場集会に対する戒告処分等の撤回の救済対象者から除外することが相当であるとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集110集899頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1998年7月 940号 19頁 
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