労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  日本能率協会 
事件番号  中労委 平成 8年(不再)第44号 
再審査申立人  X1 
再審査被申立人  社団法人日本能率協会 
命令年月日  平成10年10月 7日 
命令区分  再審査棄却(初審命令をそのまま維持) 
重要度   
事件概要  本件は、協会の従業員X1が、職場の机の引出しに入れていた業務日報が1枚なくなったことを盗難であるとして、上司の許可なく警察に110番通報したこと等を理由に、協会が同人を昭和63年2月16日付及び同年4月15日付譴責処分、同63年10月から同年12月までの3か月間の減給処分並びに同年6月から平成2年6月までの賞与の査定分を低く支給したことが不当労働行為に当たるとして申立てがあった事件であります。
 初審東京地労委が、救済申立てを棄却する命令を発したところ、これを不服としてX1から再審査申立てがなされたが、中労委は、初審命令主文を取り消し、X1に対する譴責処分、減給処分及び昭和63年6月から同年12月の賞与の査定分低額支給に関する救済申立てを却下し、平成元年6月から同2年6月までの賞与の査定分低額支給に関する救済申立てを棄却した。 
命令主文  初審命令文を取り消し、再審査申立人X1に対する昭和63年2月16日付及び同年4月15日付の譴責処分、同63年10月から同年12月までの3か月間の減給処分並びに同63年6月から同年12月までの賞与の査定分低額支給に関する救済申立てを却下し、その余の救済申立てを棄却する。 
判定の要旨  5200 除斥期間
平成2年6月30日に申し立てられているところ、X1に対する譴責処分、減給処分及び賞与の低額査定はいずれも1回限りの行為として遅くとも昭和63年12月の給与または賞与支給日までに終了しており、申立日までに1年を経過しているものと認められ、これらに関する救済申立ては、労組法第27条第2項、労委規則第34条第1項第3号により却下せざるを得ない。

0111 結成行為の範囲とされなかった例
X1が労働組合結成の意図を有していたとしても、職場の不満を問題としたにとどまるもので、組合結成の相談を行ったという同人の主張を裏付けるに足る具体的な疎明はされていないとされた例。

0111 結成行為の範囲とされなかった例
組合結成を具体化するために、政労協のZ1副議長に相談をもちかけ、職場の同僚に声をかけて、Z1副議長との会合に出席するように誘っていることが認められるが、その会合に出席した職場の同僚は、組合結成に積極的な対応を示さず、X1は組合結成準備のために数回、Z1副議長と接触していたが、協会がX1の日頃の言動や行動からみて、同人の組合結成準備を注視したり、それを妨げたりすることはなかったものと推認されるとされた例。

0111 結成行為の範囲とされなかった例
組合結成に際しての心構えを話してもらうために、東京都品川労政事務所の職員を講師に招いて、同僚約10名の参加を得て勉強会を行ったと主張するが、そのような勉強会を行ったことを認めるに足る証拠はないとされた例。

0111 結成行為の範囲とされなかった例
「労働組合は2人でもできるよ。」というY1部長の発言から、同人にX1の組合結成に関する認識があったとも主張するが、X1はこのことの発言を具体的に疎明しておらず、X1のこの点に関する主張は採用できないとされた例。

0111 結成行為の範囲とされなかった例
協会のX1に対する賞与の査定分低額支給は、同人の勤務態度に基づくものと認められ、組合結成活動を理由とするものでないとされた例。

業種・規模  専門サービス業(法律事務所、経営コンサルタント業等) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集112集765頁 
評釈等情報  中央労働時報 1999年1月 946号 23頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京地労委 平成 2年(不)第45号 棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下)  平成 8年 9月 3日 決定 
 
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