労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  浅井運送 
事件番号  大阪地労委 平成 8年(不)第36号 
申立人  全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 
被申立人  破産者浅井運送株式会社破産管財人 Y2 
被申立人  Y1 他個人1名 
被申立人  浅井運送株式会社 
命令年月日  平成10年12月28日 
命令区分  棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、組合の分会員の労働条件の変更等の問題については、事前に組合と協議して労使合意の上実行する旨の事前協議条項があるにもかかわらず、協議を行わないまま破産申立てを行い、組合の分会員全員を解雇したことが争われた事件で、大阪地労委は、会社の代表取締及び専務取締役に対する申立てを却下し、その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 申立人の被申立人Y1及びY3に対する申立てを却下する。
2 申立人の被申立人浅井運送株式会社及び同破産者浅井運送株式会社破産管財人Y2に対する申立てを棄却する。 
判定の要旨  5120 使用者の不出頭
5121 挙証・採証
Y1社長及びY3専務の調査及び審問への不出頭を理由に、同人らが提出した主張書面及び書証を労働委員会規則第33条第3項(審査指揮権)に基づき排除すべきであるとの組合の主張が、会社の不当労働行為の成否は審問の全趣旨によって判断されるべきであるとして斥けられた例。

1800 会社解散・事業閉鎖
会社の破産申立て及び破産決定に伴う本件解雇は、会社の経営状況からみてやむを得なかったものであり、不当労働行為とは認められないとされた例。

2251 一方的決定・実施
組合員の身分について、組合と会社との間には事前協議条項が合意されているにもかかわらず、会社が事前協議をせずに本件解雇を行ったことは不当労働行為に当たるとの組合の主張が、組合との間で明示的な事前協議を行った事実はないものの、倒産回避のために組合と会社との間で長期間にわたり協議を重ねてきた事実は実質的に十分事前協議を行ったものと評価することができることから、殊更明示的に事前協議であるとした交渉を行わなかったことをもって当該条項を無視したものとはいえないとして斥けられた例。

4912 破産事業における使用者
Y1社長及びY3専務には個人資産があり、会社の実質的経営者でもあるので、労組法上の使用者に当たるとの組合の主張が、会社が法人として形骸化しているなど両名に対して使用者としての責任を問うに足る特段の事情があったと認めるべき疎明はないことから斥けられた例。

4913 破産管財人
管財人が分会員に対して行った予備的解雇は、適法になされた本件破産宣告に基づいて破産手続の一環としてなされたものであり、管財人に不当労働行為は認められず、また、本件解雇は有効であり、かつ不当労働行為に該当しない以上、組合ないしは分会員に対する不当労働行為に伴うバック・ペイ等の会社の金銭債務は発生せず、会社から管財人に引継がれるべき不当労働行為に係る債務はあり得ないとして、組合の管財人に対する申立てが棄却された例。

業種・規模  精密機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集112集736頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 平成10年(不再)第50号 一部変更(初審命令を一部取消し)  平成17年10月 5日 決定 
 
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