概要情報
		
			
				| 事件名 | 結運輸 | 
			
				| 事件番号 | 京都地労委 平成 9年(不)第4号 
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				| 申立人 | 全日本運輸一般労働組合関西地区生コン支部 | 
		
			
				| 被申立人 | 有限会社結運輸 | 
			
				| 命令年月日 | 平成10年 4月15日 | 
			
				| 命令区分 | 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) | 
			
				| 重要度 |  | 
			
				| 事件概要 | 会社が、車両誘導員の日々雇用に関し、(1)別組合のみに労働者供給を依頼し、組合には依頼しなかったこと、(2)団体交渉で組合からも労働者供給を受けることを一応合意したが、別組合の了解が得られないとしてこれを協定化することを拒否したことなどが争われた事件で、京都地労委は、(1)については今後会社が両組合に対して中立的態度を保持することを誓約する文書を組合に交付することを命じ、(2)については合意が成立したとまでは認められないとして、組合の求めた協定締結等は棄却した。 | 
			
				| 命令主文 | 1 被申立人は、下記内容の文書を申立人に交付しなければならない。 記
 有限会社結運輸は、車両誘導員の日々雇用に関し、全日本建設運輸連帯労働
 組合関西地区生コン支部を車両誘導員の供給依頼の対象とし、全日本運輸一般労
 働組合関西地区生コン支部を供給依頼の対象としない取扱いをしてきました。今
 般、京都府地方労働委員会から、この取扱いが不当労働行為であると認定されま
 した。よって、当社は、今後このような不当労働行為を行わず、両組合に対し中
 立的な態度を保持します。
 以上、京都府地方労働委員会の命令により誓約いたします。
 全日本運輸一般労働組合関西地区生コン支部
 執行委員長 X1様
 有限会社結運輸
 代表取締役 Y1
 2 申立人のその余の申立ては棄却する。
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				| 判定の要旨 | 2803 その他 2900 非組合員の優遇
 ある企業が労働者供給事業者から労働者の供給を受けようとする場合、どの労働者供給事業者に依頼するかは、原則として企業の自由であるといえる。しかし、本件のように会社内に複数の労働組合が併存していて、各組合が組合活動の一環としてそれぞれ労働者供給事業を行っている場合には、会社としては、各組合の行っている労働者供給事業について双方に中立的な態度を保持すべきであるとされた例。
 
 2610 職制上の地位にある者の言動
 2900 非組合員の優遇
 組合の労働者供給能力が別組合に劣るとはいえず、他に会社が組合に労働者の供給を依頼しなかった合理的な理由も見出し難い。したがって、会社が組合に労働者の供給を依頼しなかったことについて、会社は両組合に対して中立的な態度を保持しているとはいえないのであり、これら会社の行為は労組法第7条第3号に該当するとされた例。
 
 4614 文書手交のみを命じた例
 本件の救済方法としては、主文1(誓約書交付)のとおり命じるのが相当であるとされた例。
 
 2252 署名・調印拒否
 合意が成立したとは認定できないのであるから、その合意を履行しないことが不当労働行為に該当するとの申立人の主張は、採用することができないとされた例。
 
 0211 その他の組合活動
 組合が許可を受けて行っている労働者供給事業は、組合員の経済的地位の向上を図ることを目的とするものであり、労働組合が行う活動の一環であるといえるのであるから、労組法にいう労働組合の行為と解することができるとされた例。
 
 1604 その他
 会社から労働者の供給の依頼がまだなされない段階においては、その労働者は不特定かつ抽象的な労働者であり、具体的に特定された個々の労働者に対して不利益が生じているとはいえない。よって、組合が主張するこの不利益は労組法第7条第1号にいう不利益取扱いに該当するとはいえないとされた例。
 
 1604 その他
 労組法第7条第1号にいう不利益取扱いには、労働組合に対する不利益取扱いは含まれないと解するのが相当であるとされた例。
 
 
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				| 業種・規模 | 道路貨物運送業 | 
			
				| 掲載文献 | 不当労働行為事件命令集110集475頁 | 
			
				| 評釈等情報 |   
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