概要情報
事件名 |
津田電気計器 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 6年(不)第4号
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申立人 |
全大阪金属産業労働組合 |
被申立人 |
津田電気計器株式会社 |
命令年月日 |
平成 8年 6月28日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が<1>賃上げ等に関する団体交渉申入れに対し、誠実に対応しなかったこと、<2>出張日に指名ストライキに入った分会員X1に対し、指名ストライキ解除後、出張業務に就いていないことを理由として、厳重注意及び賃金カットを行ったこと等が不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、大阪地労委は<1>X1に対し就労したものとしての取扱い及びバックペイ(年5分加算)、<2>X1に対し厳重注意がなかったものとしての取扱い、<3>文書手交を命じ、その余の申立て(誠実団交実施等)は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合津田電気計器分会員X1に対して、平成5年8 月25日の午前8時30分から午後5時までの間を就労したものとして取り扱い 、同年9月度賃金から控除した7時間30分の賃金相当額及びこれに同年9月2 9日以降年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人組合津田電気計器分会員X1に対して、平成5年9 月1日付けで行った厳重注意がなかったものとして取り扱わなければならない。 3 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない 。 記 年 月 日 全大阪金属産業労働組合 執行委員長 X3 殿 津田電気計器株式会社 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7 条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められました。今後この ような行為を繰り返さないようにいたします。 記 1 当社が、貴組合津田電気計器分会員X1氏に対して、平成5年8月2 5日の午前8時30分から午後5時までの間就労しなかったとして、同年9月1 日付けで厳重注意し、また、同年9月度賃金から7時間30分の賃金相当額を控 除したこと。 2 当社が、貴組合津田電気計器分会員X1氏に対して行った平成5年9 月1日付け厳重注意に関して同氏の個人的評価にわたる内容を記載した、同年1 0月4日付けの「会社見解書」、同月8日付けの「会社申入書」及び同年11月 8日付けの「会社申入書」を当社箕面工場の従業員食堂に掲示したこと。 3 当社が、貴組合津田電気計器分会書記長X3氏外3名の出張に際し、出 張指令書に基づき業務を遅滞無く完遂する旨誓約する念書を提出しないことを理 由に出張旅費の仮払いを行わなかったこと。 |
判定の要旨 |
1204 スト・カット
1400 制裁処分
2620 反組合的言動
指名スト解除後も出張業務に就いていなかったとしてX1に賃金カットや厳重注意を行い、更にこれらの内容を記載した会社見解等を掲示したことは、組合の出張拒否闘争を嫌悪した労組法7条1号及び3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
2240 説明・説得の程度
平成5年の賃上げ等について、17回の団交が行われ、会社はその場で回答額の根拠を説明していることから団交における会社の態度は誠実でなかったとはいえず労組法7条2号の不当労働行為には該当しないとされた例。
2248 実質的権限のない交渉担当者
Y2工場長代行は会社から全権限を委任され、交渉責任者として常に団交に出席しており、団交に決定権のないものを出席させたとする組合の主張は認められず団交拒否には該当しないとされた例。
2700 威嚇・暴力行為
2900 非組合員の優遇
組合の出張拒否闘争の最中に、出張者に業務を遅滞なく完遂する旨の念書の提出を求め、これを出張旅費の仮払いの条件とすることが、組合員に金銭面で差別的に取扱うことにより組合活動に心理的圧力を加える支配介入であるとされた例。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集105集113頁 |
評釈等情報 |
 
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