労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  相互タクシー 
事件番号  中労委 平成 6年(不再)第20号 
再審査申立人  相互タクシー有限会社 
再審査被申立人  相互タクシー労働組合 
命令年月日  平成 8年 9月18日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  本件は、<1>組合の再々にわたる団体交渉申入れに対して、会社が誠実に応じなかったこと、<2>会社が団体交渉における合意事項について、協定書の作成を拒否したこと、<3>社長が組合及び組合員を中傷する発言を行ってきたこと等が不当労働行為であるとして申立てがあった事件である。
 初審徳島地労委(平4不6、6・3・24決定)は、上記申立てについて、会社に対し<1>誠意ある団体交渉の応諾、<2>労使合意の3項目を内容とする協定書の作成及び同協定書への調印、<3>組合中傷による支配介入の禁止、<4>文書掲示を命じたところ、会社はこれを不服として再審査を申立てた。
 中労委は、初審命令中<2>の規定書の作成等について、労使合意を踏まえて、更に協議を尽くした上で協定書の作成を命じる等一部を変更するほかは再審査申立てを棄却した。 
命令主文  I 本件初審命令主文第2項を次のとおり改める。
 2 再審査申立人は、平成3年9月8日の合意事項の内容を踏まえて、更に協
議を尽くした上、協定書を作成しなければならない。
II 本件初審命令主文第4項中、「2 平成3年9月8日の団体交渉において、
貴組合との間で合意に達した事項について、協定書の作成に応じなかったこと。
」を「2 平成3年9月8日の合意事項の内容を踏まえて、更に協議を尽さず、
協定書を作成しなかったこと。」に、「X1」を「X2」に改める。
III その余の本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  2242 回答なし
会社が形式的には団体交渉に応じながら、実質的には何ら組合に対し具体的な説明をせずゼロ回答に終始している態度は、誠意あるものとは認められない。

5200 除斥期間
組合が求めている協定書の作成は、平成3年9月8日の団体交渉における合意事項についてのものであるが、組合は、同年10月21日の申入れ以降、数回にわたり団交事項として要求してきたが、会社は現在に至るまでこれに応じていないのであるから、申立期間を徒過したものとはいえない。

2252 署名・調印拒否
会社は、合意内容や協定書の作成について異議あるいは問題点があるなら、その旨を具体的に説明し、その点について更に協議を尽くすべきであるにもかかわらず、これを行わず、組合からのこの問題をめぐる団体交渉の再々の申入れにも応じていないのであるから、このような会社の態度は、団体交渉の意義を失わしめるものであって、労働組合法第7条第2号に該当する。

4501 妥結事項の文書化(協定・議事録確認等)を認めた例
時間外労働等に係る割増賃金の計算方法は、飲酒暴走による事故の取扱い等なお詰める点も残されていると思われることから、労使は、これらの問題について更に協議を尽くした上、協定書を作成することが相当である。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集106集440頁 
評釈等情報  中央労働時報 1997年1月10日 916号 19頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
徳島地労委 平成 4年(不)第6号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成 6年 3月24日 決定 
 
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