概要情報
事件名 |
武蔵野音楽学園 |
事件番号 |
中労委 平成 3年(不再)第30号
|
再審査申立人 |
学校法人武蔵野音楽学園 |
再審査被申立人 |
武蔵野教職員懇談会 |
命令年月日 |
平成 8年 5月22日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
|
事件概要 |
<1>学長等が組合に対し、「断固排除する」などと発言したこと、<2>理事が団体交渉の場で、組合幹部に対して威嚇的な発言したこと、<3>書記長X1の事務職兼務を解き、教育職専任とし、大幅な手当の減収をもたらせたことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件であり、東京地労委の救済命令を不服として学園が再審査申立てを申し立てていたが、中労委は再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
学園の理事がパーティーの席上、組合の執行委員X2に聞こえるように、裏切り者とはドイツ語で何というかと組合の執行委員X2の隣の教授に聞いたことがX2個人に対するいやがらせに当たるが、組合の組織や活動に影響を与える意図でなされたものとは認められず、支配介入にあたるとまではいえないとされた例。
2620 反組合的言動
教育実習校訪問の反省会や冬期講習会打合せ会等における学長の発言(最近怪文書等により、学校のイメージダウンを図る不逞の輩がいる。今後、断固排除する旨)及び理事等の発言(阿呆な連中は断固排除する旨)が組合の学園をめぐる疑惑解明の調査活動や機関紙配付活動を非難した支配介入にあたるとされた例。
2620 反組合的言動
団交の席上における理事の発言(君達の第3組合なるものに存在というものを認めない旨)が申立人組合の合法性についての見解を表明したもので、組合側として幾多反論の機会があるのであるから、不当労働行為の成否を云々すべき限りでないとされた例。
2620 反組合的言動
団交の席上における理事の発言(君達が正常な組合活動をしているとは認めていない。事実無根のことをしゃべって、学園の名誉を傷つけたから、それなりの対応をする旨)は、個人の見解を表明したにとどまらず、組合員に対する威嚇的言動の延長線上にある支配介入にあたるとされた例。
1200 降格・不昇格
3500 処分の時期
組合結成当初から書記長として組合活動の中心であったX1を、組合公然化直後に、しかも当初予定した業務が終了せず、組合に対する威嚇の言動が見られた時期であったことから、参与職兼務を解いたことが不利益取扱いであるとされた例。
|
業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集105集598頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1996年8月10日 911号 17頁 
|