労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  武蔵野音楽学園 
事件番号  東京地労委 昭和62年(不)第18号 
申立人  武蔵野教職員懇談会 
被申立人  学校法人 武蔵野音楽学園 
命令年月日  平成 3年 3月19日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  (1)学園の理事が、組合員X1に対して「裏切り者」との発言及び団交席上での「第三組合なるものに存在というものを認めない」との発言をそれぞれ行ったこと、(2)学園の学長及び理事らが、組合及び組合員に対して「断固排除する。」等の発言を行ったこと、(3)学園が、組合書記長X2を図書館参与職から解任したことが、争われた事件で、(2)について組合及び組合員に対する発言による威嚇の禁止、文書交付及び履行報告を(3)についてX2の図書館参与職または相当職への復帰、バック・ペイ、文書交付及び履行報告を命じ、(1)については申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人学校法人武蔵野音楽学園は、申立人武蔵野教職員コン懇談会および同組合員に対 し、「(組合員を学園から)断固排除する。」などと威嚇してはならない。
2 被申立人学園は、次の措置を講じなければならない。
 (1)組合員X2を図書館参与職または同相当職に復帰させること。
  (2)同人が図書館参与職を解任されなければ受けるはずであった、図書館参与職または同相   当職に復帰するまでの間の、役職手当および同手当を算定基礎とする賃金のうち既支給   額との差額を支払うこと。
3 被申立人学園は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合に交 付しなければならない。
                     記
                                 年  月  日
   武蔵野教職員懇談会
    執行委員長 X1 殿
                           学校法人武蔵野音楽学園
                            理事長 Y1
  当学園の学長、理事らが、貴組合および貴組合員に対して、「(組合員を学園から)断固 排除する。」などと威嚇したことおよび貴組合員X2氏の図書館参与職を解任したことは、 いずれも不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後このよ うな行為を繰り返さないよう留意します。
4 被申立人学園は、前記第2項および第3項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書 で報告しなければならない。
5 その余の申立てを棄却する。 
判定の要旨  1200 降格・不昇格
組合結成当初から書記長として組合活動の中心であった組合員X2の参与職兼務を解いたことが不利益取扱いであるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
学園の理事がパーティの席上、組合員X1に対し、裏切り者呼ばわりしたことはX1個人に対する嫌がらせに当たるが支配介入にあたるとまではいえないとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
教育実習校訪問の反省会や冬期講習会打合わせ等における学長及び理事等の発言が組合の学園をめぐる疑惑解明の調査活動や機関紙配布活動を非難した支配介入にあたるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
団交の席上における理事の発言が申立人組合の合法性についての見解を表明したもので、組合側として幾多反論の機会があるのであるから、不当労働行為の成否を云々すべき限りでないとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
団交の席上における理事の発言は、個人の見解を表明したにとどまらず、組合員に対する威嚇的言動の延長線上にある支配介入にあたるとされた例。

3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
組合結成当時から書記長として組合活動の中心であったX2を、組合が公然化した直後に、参与職を解任したことから不利益取扱いとされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集92集331頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 平成 3年(不再)第30号 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  平成 8年 5月22日 決定 
 
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