概要情報
事件名 |
吉野川タクシー |
事件番号 |
徳島地労委 平成 6年(不)第2号
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申立人 |
吉野川タクシー労働組合 |
被申立人 |
吉野川タクシー有限会社 |
命令年月日 |
平成 8年 3月15日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、<1>組合の団交申入れに対し故意に開催を遅らせ、また、団交を行っても不誠実な態度を取り続けたこと、<2>組合の執行委員長に対し無線による配車差別を行ったことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 徳島地労委は、<1>は不誠実団交及び組合活動抑制による支配介入の不当労働行為に、<2>は組合活動抑制による支配介入の不当労働行為に当たるとして、<1>及び<2>について文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
被申立人は、本命令交付の日から1週間以内に、縦50センチメートル、横1 メートルの白紙に次の文言を楷書で明瞭に記載し、被申立人会社事務所の従業員 の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 当社が行った次の行為は、労働組合法第7条第2号及び第3号に該当する不当 労働行為であると徳島県地方労働委員会において認定されました。 今後このような行為を繰り返さないようにします。 1 貴組合の団交期日の申入れに対し誠意をもって対応しなかったこと。 2 貴組合の申入れに係る団体交渉に誠意をもって応じなかったこと。 3 貴組合の執行委員長に対し無線による配車差別を行ったこと。 平成 年 月 日 吉野川タクシー労働組合 執行委員長 X1 殿 吉野川タクシー有限会社 代表取締役 Y1 注 年月日は、文書を掲示する初日を記載すること。 |
判定の要旨 |
2212 交渉の場所・時間
組合の指定した団交期日について、再三にわたりその団交期日に応じられない具体的な理由を説明することなく2、3週間以上も遅らせたことが、7条2号に該当する不当労働行為とされた例
2240 説明・説得の程度
組合の要求に対し、対案を示すこともなく、自己の主張の根拠の具体的な説明や資料の提供もしなかったことが、不誠実団交として7条2号に該当する不当労働行為とされた例
2901 組合無視
執行委員長に対する配車差別を行ったことが、組合活動を抑制しようとする支配介入であり、7条3号に該当する不当労働行為とされた例
4833 組織の消滅(含1人組合となった場合)
支配介入により組合員が4名から労働委員会の資格審査時までに1名となった労働組合について、救済申立資格を認めた例
4613 P.Nのみを命じ、他の救済の必要性を認めなかった例
組合員数が1名であること等を考慮して文書掲示のみを命じた例
2901 組合無視
賃金の変更についてカラオケ大会で従業員に説明しながら組合の団交では説明しなかったこと、及び組合副委員長の残しの件について組合と話し合いに応じなかったことは、組合の存在を無視ないし軽視した7条1号の支配介入に当たるとした例
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集104集203頁 |
評釈等情報 |
 
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