労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  フットワークエクスプレス 
事件番号  中労委 平成 7年(不再)第31号 
中労委 平成 7年(不再)第34号 
再審査申立人  X1(34号) 
再審査申立人  全日本運輸一般労働組合フットワークエクスプレス新労組支部(34 号) 
再審査申立人  フットワークエクスプレス株式会社(31号) 
再審査被申立人  フットワークエクスプレス株式会社(34号) 
再審査被申立人  X1 外3名(31号) 
再審査被申立人  全日本運輸一般労働組合フットワークエクスプレス新労組支部(31 号) 
命令年月日  平成 9年 3月 5日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  会社が、<1>争議行為を指導した組合三役や参加した組合員に対 し、出勤停止等の処分を行ったこと、<2>組合員を点呼の場から離脱させたことを理由に組合書記長を3日間の出勤停止処分等 としたこと、<3>店長が、点呼の際、争議行為に参加した者が懲戒解雇になったらしいと訓示したこと等が争われた事件であ る。
 大阪地労委は、<1>及び<3>を不当労働行為に当たるとして、バックペイ及び文書手交等を命じ、その余の申立てを棄却し たところ、労使双方がこれを不服として、再審査を申し立てた。
 中労委は、初審命令を一部変更したほかは再審査申立てを棄却した。 
命令主文  1 初審命令主文第1項中、X2及びX3に関する部分を取り消し、 同人らの同項に係る救済申立てを却下する。
2 初審命令主文第2項の記の(1)及び(2)中、「5月17日」を「5月17日から20日まで」に改める。
3 初審命令主文第2項の記の(3)中、「事実に反する内容をもとにした訓示をしたこと。」を、「組合が行う争議行為に参加 すると懲戒解雇処分になる恐れがある旨を示唆する訓示をしたこと。」に改める。
4 その余の本件各再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  0417 法令・協約・信義則違反
組合は、労働協約に基づく会社に対する10日前までの争議予告を行っていないが、それより前に、申し入れ等を3度行っている ことから、組合は実質的に争議予告を行っていると認められ、形式的な手続違反によって争議行為自体が違法であるとはいえな い。

0411 怠業
会社が他の組合と合意して実施した新業務体制の一部を組合側の立場で選択しこれを拒否したという意味で、単なる不作為と評価 することは困難である。しかし、争議期間が短期間であり、また、業務上特段の混乱が生じなかったこと等から、本件争議行為 は、争議行為として許される範囲を逸脱した違法なものとはいい難い。

0203 職場闘争と業務妨害
組合が導入を反対している業務について、会社が、点呼の場で説明を行ったことは不適切であるとはいえず、書記長の行為は、点 呼の場から組合員を一方的に退出させたものであり、会社の正当な業務に対する妨害行為と認められる。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
当時、新しい業務体制を巡って会社と組合が激しく対立していたことからすれば、店長の発言は、組合が行う新業務体制反対の争 議行為に参加すると懲戒解雇処分になる恐れがある旨を示唆して、争議行為を抑制する目的で行われたもので、組合弱体化を企図 した支配介入行為である。

1300 転勤・配転
本件配転には業務上の必要性が認められ、また、店の従業員の16名のうち15名が組合の組合員であったことから、配転の対象 が組合員になることもやむを得ない。したがって、会社の行った配転内示は、不当労働行為に当たらない。

2500 別組合の結成・援助
店長が第二組合分会長と、本件当事者組合の組合員との面会を取り持った事実は認められるが、両者の話し合いが組合員の組合所 属をめぐるものであったという疎明はなく、店長がこの面会を取り持ったことをもって直ちに、組合員を本件当事者組合から脱退 させるための支配介入行為であるとまでは認められない。

2500 別組合の結成・援助
第二組合の執行委員長が、本件当事者組合の組合員と話合いをするためとして申し入れた会議室の使用を、担当外の課長が許可し たのは、その店の慣例に沿ったものであり、かかる課長の行為をもって、会社が2つの労働組合の一方に加担し、本件当事者組合 の弱体化を企図した支配介入行為であるとまでは言えない。

5142 申立意思の放棄
31号事件被申立人のX1とX2は、中労委に対し、それぞれ取下書を提出した。この趣旨は、初審で救済された部分の本件被救 済利益の放棄を申し立てたものと解されるので、本件初審命令主文第1項中の両名に係る部分を取り消し、労働委員会規則第56 条第1項により準用される同第34条第1項第7号の規定に基づき、両名の救済申立てを却下することとする。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集107集501頁 
評釈等情報  中央労働時報 1997年7月 925号 17頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪地労委 平成 5年(不)第20号/他 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成 7年 7月13日 判決 
 
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