概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(上野保線区脱退勧奨) |
事件番号 |
中労委 平成 2年(不再)第4号
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再審査申立人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
再審査被申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
再審査被申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部上野支部 |
再審査被申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部上野支部上野保線区分会 |
命令年月日 |
平成 9年 2月 5日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
東日本旅客鉄道株式会社(以下「会社」という。)上野保線区の区長らが、現場長会議及び事務助役会議における東京圏運行本部施設部長の発言を受け、同保線区の国鉄労働組合所属の組合員に対し、脱退勧奨を行ったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、初審東京地労委は、これらの行為は不当労働行為に当たるとして、支配介入の禁止、文書掲示を命じたところ、会社はこれを不服として再審査を申し立てた。 中労委は初審命令を維持し、本件再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。ただし、初審命令主文第2項の記中「X1」を「X2」に、「X3」を「X4」に、「Y1」を「Y2」にそれぞれ改める。 |
判定の要旨 |
4820 単一組織の支部・分会等
各組合は、それぞれ独自の規約・会計及び執行機関を有し、独立した固有の組合活動をしていることが認められ、各組合とも独立した労働組合として申立人適格を有する。また、分会に所属する組合員に対し、国労からの脱退を勧奨することは、その下部組織である東京地本、上野支部及び分会からの脱退を勧奨することでもあることから、各組合が救済申立てをする権利を有するのは当然のことである。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
Y3支区長はX5に対し「今の国労にいると線を引かれて残れない。抜けたらどうだ。」との趣旨のことを述べており、発言の態様、時期からしても、国労からの脱退勧奨とみるのが相当である。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
Y4区長のX6に対する個人面談の際の発言は、その内容、時期、その後の言動等からみて脱退勧奨とみるのが相当である。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
Y5首席助役及びY6助役は東鉄労の組織拡大のために積極的に活動していたとは認められず、発言の時期、「本務に残れない。」との言辞からも、管理者である助役の立場での脱退勧奨と認められる。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
3411 その他の従業員の言動
Y7助役は東鉄労上野保線区分会の副分会長ではあったが、勧誘したのはX7のみであるなど、副分会長としての責任において組織拡大活動に取り組んでいたとは認められず、当時の状況からしても、管理者である助役の立場で行った脱退勧奨と判断せざるをえない。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集107集492頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1997年4月 922号 18頁 
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