概要情報
事件名 |
大手前高松高等(中)学校 |
事件番号 |
中労委 昭和60年(不再)第31号
|
再審査申立人 |
学校法人倉田学園 |
再審査被申立人 |
香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合 |
命令年月日 |
平成 9年12月 3日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、昭和57年9月2日から同年12月23日までに、組合員19名が職員室で配布した組合ニュース等(ビラ)を学園の労務担当Y1が回収し廃棄したこと並びに学園が組合ニュース等を配布した組合員に対し、就業規則違反を理由とする警告、訓告等の処分を行い、組合の執行委員長X1に対して減給処分を行ったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、学園に対し<1>組合員に対する警告、訓告等の処分の撤回並びにX1に対する減給処分の撤回及びバックペイ、<2>組合ニュース等を回収、廃棄する等の組合の運営に対する支配介入の禁止、<3>文書交付を命じた初審命令の一部を変更したほかは、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
I 初審命令主文第1項を次のとおり変更する。 1 再審査申立人学校法人倉田学園は、別紙1記載の再審査被申立人香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合の組合員に対する警告、厳告、訓告、戒告及び減給処分を各撤回するとともに、同組合の組合員X2に対し、減給処分による給与減給分金392円及びこれに対する昭和58年1月22日から支払済みに至るまで年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。 2 再審査被申立人のその余の救済申立てを棄却する。 II 再審査申立人のその余の再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
4830 代表者
高松校の生徒指導主事又は進路指導主事が、その職務内容からみて、雇入れ、解雇、昇進若しくは異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者又は使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接する監督的地位にある労働者その他学園の利益を代表する者であるとは認められないとされた例
0200 宣伝活動
0202 会社施設の利用
本件組合ニュース等の内容は、賃金その他の労働条件及び組合の日常活動、教育に関する記事を記載したものであり、記載内容には問題がなく、ニュース等の配布の態様は、昼の休憩時間中に職員室の机上に組合ニュースは二つ折りにして、わだちは冊子を机上に置く方法により行われ、配布時間は約5分間、配布枚数も47枚程度であることが認められ、組合ニュース等が生徒の目に触れ、閲覧される可能性は一般的に少ないことからすると、本件組合ニュース等の配布は、学園の教育上及び業務上の支障を及ぼすおそれがなく、また、生徒に対する教育的配慮に欠けることとなるおそれのないものと認められ、正当な組合活動の範囲内のものとされた例
3020 組合活動への制約
本件組合ニュース等の配布は正当な組合活動であり、Y1の回収行為等は、学園の命令を受けて労務担当として組合の正当な組合活動として行われる情報宣伝活動を抑制するためになされたものとされた例
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
X3ら4名については、既に組合を脱退しており救済申立てのうち各人に関する部分は取り下げる旨の文書が提出され、当該文書は、同人らの、組合を通じての救済を求めないとの積極的な意思表示と認められることから、同人らを本件組合ニュース等の配布に対する警告又訓告処分の撤回の救済対象者から除外することが相当であるとされた例
|
業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集109集601頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1998年2月 932号 24頁 
|