概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(神奈川支配介入) |
事件番号 |
中労委 平成 1年(不再)第97号
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再審査申立人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
再審査被申立人 |
国鉄労働組合 |
再審査被申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
再審査被申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部横浜支部 |
再審査被申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部横浜支部大船保線区分会 |
命令年月日 |
平成 9年 9月 3日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社の昭和62年9月当時の大船保線区における区長、支区長、助役らが、国労東京地方本部横浜支部大船保線区分会に所属する組合員に対し、国労からの脱退を勧奨する言動をしたことが争われた事件で、初審神奈川地労委は、同区長らの言動が不当労働行為に当たるとして、会社に対し、組合の組織及び運営に対する支配介入の禁止並びにこれに関する誓約書の掲示を命じた。 会社はこれを不服として、中労委に再審査を申し立てたが、中労委は、会社に対し、組合の組織及び運営に対する支配介入の禁止並びに「区長、支区長及び首席助役をとおして、組合員に対して脱退を勧奨したことは、不当労働行為であると中労委に認定された。」旨の文書の掲示を命じた。 |
命令主文 |
I 本件初審命令主文を次のとおり変更する。 1 会社は、大船保線区、戸塚保線区及び大磯保線区の各区長らをとおして、再審査被申立人大船保線区分会に所属する組合員に対し、再審査被申立人組合からの脱退勧奨を行うことにより、再審査被申立人組合の組織及び運営に支配介入してはならない。 2 会社は、本命令交付後速やかに、縦1メートル、横1.5メートルの白紙に下記の文書を明瞭に記載し、大船保線区、戸塚保線区及び大磯保線区のすべての業務用掲示板又はその付近の従業員の見やすい場所に、10日間掲示しなければならない。 3 再審査被申立人のその余の本件救済申立てを棄却する。 II 再審査申立人のその余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
Y1区長の分会員らに対する言動は、国労の方針を批判し、あるいは不利益を示唆して、国労からの脱退を勧奨したものであるから、これを支配介入の不当労働行為に当たるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
Y2支区長及びY3首席助役の言動は、その内容とそれがなされた時期・状況からして、Y1区長の意を体して、同区長の脱退勧奨行為等と一体となって、分会員X1及びX2に対して、国労からの脱退を勧奨した不当労働行為とされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3411 その他の従業員の言動
Y2支区長及びY3首席助役の言動は、Y1区長の意を体して、管理者としての立場で行われたものであるから、その責任は会社が負うべきものであり、このことは、同人らが組合員資格を有し、実際に他組合に所属し、ないしはその役員であるからといって影響を受けるものではないとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
Y4助役の分会員X3に対する言動については、組合活動等に言及することもなく、また、他にその言動の趣旨を推認するに足る具体的事情についての疎明もないことから、国労からの脱退を勧奨した不当労働行為とまでは認められないとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集109集554頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1997年11月 929号 12頁 
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