概要情報
事件名 |
モービル石油(薬物規定団交) |
事件番号 |
大阪地労委 平成 5年(不)第78号
|
申立人 |
スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合 |
被申立人 |
モービル石油株式会社 |
命令年月日 |
平成 9年10月31日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、平成3年1月に会社の制定した「アルコール、薬物等規制規定」に関して組合の申入れた団交について、平成4年9月に実施された団交以降応じないこと及び組合員X1らに検査を受診するよう求めたことが不当労働行為であるとして救済申立ての行われた事件 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2305 労働協約との関係
組合は、解雇等重大な懲戒処分を含む規定は本来労働協約事項であると主張するが、組合と会社との間で懲戒処分に関する規定の制定については事前協議ないし事前同意を要する旨の約款の存在が認められない本件においては、組合と協議することなく会社が「アルコール、薬物等規制規定」を制定したとしても、直ちに不当労働行為ということはできないとされた例
2240 説明・説得の程度
会社は、<1>約1年半にわたり十数回の団交に応じている、<2>規定新設の目的、組合の質問に対し具体的に説明している、<3>組合の提案を一部受入れる旨回答している、<4>資料を組合に手渡していることなどからすれば、団交において必要な説明を行い、組合の疑義についても資料を示して明らかにするなど誠実に対応しているとされた例
2250 未妥結・打切り・決裂
団交が行き詰まったのは、懲戒処分に際して組合との協議決定を行うか否かについて、労使双方の主張が平行線をたどったことが原因であり、このような状況で会社が団交を打ち切ったとしても不当なものということはできないとされた例
3701 他組合等との関係
会社が組合員に対して毎年薬物規定による定期検査受診の指示を行っていることは認められるが、会社は組合員以外の特定職務の従業員に対しても定期検査受診を指示しており、組合員であるがゆえに受診を指示しているものではないから、組合員に対する受診指示が直ちに組合に対する支配介入に当たるとはいえないとされた例
3700 使用者の認識・嫌悪
5121 挙証・採証
会社は、組合員に対する検査をしばらく見合わせるとの措置を講じており、組合自身も、平成3年12月の時点では受診の強要はなかったと認めており、翌4年以降は、受診するようにとの意思表示は行っているが、強要したと認めるに足る疎明はなく、強要があったとは認められないとされた例
|
業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集109集431頁 |
評釈等情報 |
 
|
|