労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  内山工業 
事件番号  中労委 平成 3年(不再)第57号 
再審査申立人  内山工業 株式会社 
再審査被申立人  X1 
再審査被申立人  全国化学労働組合協議会内山工業労働組合 
命令年月日  平成 7年 4月19日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、(1)組合の指名ストに参加した組合支部長X1に対して草むしり等の雑作業に従事させたこと、(2)配置換えによりX1を組長から班長に降格させたこと、(3)組合員に対し組合からの脱退工作を行ったことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 初審神奈川地労委は、これを不当労働行為に当たるとし、(1)及び(3)についてX1を雑作業に従事させる等の不利益取扱いや組合脱退工作による組合運営への支配介入の禁止、(2)について人事異動がなかったものとしての取扱い及び原職復帰を命じ、併せて各々の文書掲示を命じた。
 会社が、これを不服として再審査を申立てたところ、中労委は、初審命令の一部を変更した外は初審命令を維持し、再審査申立てを棄却した。 
命令主文  Ⅰ 初審命令主文第2項を次のとおり改める。
 2被申立人は、申立人組合茅ヶ崎支部の支部長に対して、同人の組合活動を理由として本来  業務以外の草むしりやスクラップの焼却等の雑作業に専ら従事させるなどの不利益取扱い  をすること及び同支部の組合員に対して同組合からの脱退工作をすることによって、同組  合の運営に支配介入してはならない。
Ⅱ 再審査申立人のその余の本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合の支部長に対し、同人の組合活動を理由として本来業務以外の草むしりやスクラップ焼却等の雑作業に専ら従事させた行為は、支部長を不利益に取扱い、もって組合の弱体化を図った支配介入であるとされた例。

1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合の支部長に対し、組長職から班長職へと配置転換した行為は、組合を嫌悪して会社が行った組合支部長に対する不利益取扱いであるとともに、組合の弱体化を図って行った組合への支配介入であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
組合脱退時に生じえる解雇問題やローンの扱いの問題について、不利益のないこと、ないしは便宜供与を行うことを工場長が示唆した行為は、組合脱退を促進させるために会社が行った、組合への支配介入であるとされた例。

業種・規模  輸送用機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集101集1005頁 
評釈等情報  中央労働時報 平成8年4月10日  907号 17頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
神奈川地労委 昭和63年(不)第15号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  平成 3年10月29日 決定 
 
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