概要情報
事件名 |
内山工業 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和63年(不)第15号
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申立人 |
全国化学労働組合協議会内山工業労働組合 |
申立人 |
X1 |
被申立人 |
内山工業 株式会社 |
命令年月日 |
平成 3年10月29日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合の指名ストに参加した組合支部長X1に草むしり等の雑作業に従事させたこと、同人を組長から班長に降格したこと及び組合員に対し脱退工作をしたことが争われた事件で、X1に対する人事異動のなかったものとしての取扱い、原職相当職への復帰、雑作業へ従事させることや組合員への脱退工作をすることによる組合への支配介入の禁止を命じ、併せてこれら事項に関する文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人は、申立人X1に対する昭和63年12月21日付の人事異動がなかったものとして取 り扱い、同人を被申立人会社茅ヶ崎工場における原職相当職に復帰させなければならない。 2.被申立人は、申立人組合茅ヶ崎支部の支部長に対して従来業務以外の草むしりやスクラッ プの焼却等の雑作業に従事させるなどの不利益取扱いをしたり、同支部の組合員に対して組 合からの脱退工作をすることによって、申立人組合の運営に対して支配介入してはならな い。 3.被申立人は、本命令後速やかに、下記の誓約書を縦1m×横1.5mの白紙に楷書で鮮明に墨 書し、本社及び茅ヶ崎工場の正門の見やすい場所に、10日間掲示しなければならない。 誓 約 書 当社が、貴組合茅ヶ崎支部のX1支部長に対して、昭和63年6月27日から同年9月13日 まで茅ヶ崎工場化成品製造課化成品組組長の業務に従事させず、草むしりやスクラップの焼 却等の雑作業に従事させ、かつ、同年12月21日付で同課加工班班長に降格発令をしたこと、 また、同年6月28日、貴組合茅ヶ崎支部の組合員に対して、貴組合から脱退することに伴う 労働金庫のローンの扱いに関する不安を解消させるなど、貴組合からの脱退を促進させる言 動をとったこと、これらはいずれも、神奈川県地方労働委員会により労働組合法第7条に該 当する不当労働行為であると認定されました。 当社は、再びこのような行為を繰り返さないことを誓約します。 年 月 日 全国化学労働組合協議会内山工業労働組合 中央執行委員長 X2 殿 X1 殿 内山工業株式会社 取締役社長 Y1 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
スト解除後組合の支部長X1を専従で草むしりやスクラップの焼却等の雑作業に従事させたことが不当労働行為であるとされた例。
1300 転勤・配転
1400 制裁処分
組合の支部長X1を組長から班長に配転させたことは実質的な降格であって、不当労働行為であるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
5121 挙証・採証
班長であるX3は組合を脱退しているものの、工場長らが同人の降格をちらつかせて組合からの脱退を勧奨する発言をしたと認めるに足る疎明はないとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2625 非組合員化の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
組合が分裂して間もない時期に飲食店で酒食を供しつつ、工場長らが組合脱退の場合は労働金庫からのローンは会社で面倒をみるなどと発言したことが支配介入であるとされた例。
4400 原職相当職への復帰を命じたもの
組合の支部長X1の人事異動に対する救済として、異動前の職場が組織変更により存在しないことから、同工場の原職相当職に復帰させるよう命じた例。
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業種・規模 |
ゴム製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集271頁 |
評釈等情報 |
 
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