概要情報
事件名 |
プロクター・アンド・キャンブル・ヘルスケア他1社 |
事件番号 |
中労委 平成 4年(不再)第8号
中労委 平成 4年(不再)第9号
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再審査申立人 |
プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク |
再審査申立人 |
プロクター・アンド・ギャンブル・ヘルスケア 株式会社 |
再審査被申立人 |
三重一般・ピー・アンド・ジー・ヴィックス労働組合 |
命令年月日 |
平成 7年 1月11日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)鈴鹿工場の縮小計画及び閉鎖案についての団体交渉を拒否し、あるいは誠実に応じなかったこと、(2)鈴鹿工場を閉鎖し、組合員を新規作業所へ配置転換したこと、(3)配転命令後も鈴鹿工場で労務を提供しようとした組合員に対し、その受領を拒否し、不就労分の賃金を控除したことが争われた事件である。 三重地労委は、(1)について誠実団交の実施、(2)について配転命令の取消し及び鈴鹿工場と同等の条件での就労、(3)について控除賃金相当額の支払いを命じた。会社は、これを不服として再審査を申立てたが、中労委は、初審命令の主文第1項、第2項を変更するほかは初審を維持しその余の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
I 初審命令主文第1項を次のように改め、同第2項を削り、同第3項及び第4項をそれぞれ同 第2項及び第3項とする。 1 再審査申立人プロクター・アンド・ギャンブル・ヘルスケア株式会社及び同プロクター・ アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インクは、再審査被申立人三重一般・ピー・アン ド・ジー・ヴィックス労働組合の別表記載の組合員に対して行った飯野寺家作業所への配置 転換命令がなかったものとして取扱い、同組合員の就業の場所をはじめとする労働条件につ いて同労働組合と誠意をもって団体交渉を行わなければならない。 上記再審査申立人らは、上記の団体交渉を行うに当たって、鈴鹿工場縮小計画発表から同 工場閉鎖に至るまでの経緯とその必要性について、具体的資料に基づき同労働組合の理解を 得るよう努めなければならない。 II 再審査申立人らのその余の各再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2300 賃金・労働時間
工場縮少計画、閉鎖案とその実行問題は、組合員の労働条件に影響するものであるので、団交事項であると認めるのが相当であるとされた例。
2244 特定条件の固執
工場縮少計画、閉鎖案に関する会社の団交姿勢は、自己の計画及び案に固執し、交渉を形骸化させるなど誠意ある交渉姿勢であったとは、認められないとした例。
2901 組合無視
組合の反対にもかかわらず、団交継続中に配転希望者及び希望退職者を募集する文書を、全従業員に郵送したことが不当労働行為であるとされた例。
2251 一方的決定・実施
工場縮少計画の見直し計画進行中に、一方的に自己が最適と考える工場閉鎖を強行する準備を進めたことが、不当労働行為であるとされた例。
2249 その他使用者の態度
工場閉鎖を提案した以降の一連の会社の団交態度は、誠意を尽したとはいえず、自ら設定した極めて短期間のスケジュールに従って、一方的に閉鎖を完了した行為が、不当労働行為であるとされた例。
2240 説明・説得の程度
会社が、工場縮少計画及び閉鎖案について、十分な説明を行わず、一方的に実施したことが支配介入であるとされた例。
5008 その他
労働委員会は、事案の改廃等経営の専権事項であっても、その行為中に団結権侵害と目される行為が存在する場合は、これを不当労働行為と判断し、その裁量の範囲において適切妥当な是正を命じ得るとした例。
3105 事業廃止、工場移転・売却
会社が、工場閉鎖を早期に完了すべく、新しい作業所を設置し、組合員らを一時収容した行為は、雇用確保以外の不当な意図のもとに、組合員らを不利益に取り扱い、組合の弱体化を図った支配介入であるとされた例。
1401 労務の受領拒否
新設された作業所での就労を拒否し、工場へ出社した組合員の労務の提供を受領せず、賃金を控除した行為は、正当な組合活動をしたことを理由とした不利益取扱いであるとされた例。
5008 その他
労働委員会の命令は、労働契約上の権利を実現せしめるものではなく、事実上の状態を実現せしめるものであるから、原職又は原職相当職への復帰を命ずることは、企業のもつ職業選択の自由を侵害することにはならないとされた例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集101集788頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 平成7年4月10日 890号 20頁 
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