概要情報
事件名 |
東海旅客鉄道(浜松運転区) |
事件番号 |
静岡地労委 平成 3年(不)第4号
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申立人 |
ジェイアール東海労働組合 |
被申立人 |
東海旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 7年 3月28日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)組合が会社の印刷機を無断使用する等のルール違反を理由に組合掲示板の貸与や講習室の使用を拒否したこと、(2)会社のレターケースに組合文書を投函したとして、無断で組合文書を回収したこと、(3)管理職をして組合からの脱退を慫慂したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 静岡地労委は、(1)組合掲示板の貸与及び講習室の利用についての労使間での協議、(2)無断で回収した組合文書の返還、(3)組合からの脱退慫慂をしての支配介入の禁止を命じ、陳謝文の掲示については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、ジェイアール東海労働組合静岡地方本部浜松運転区分会に対し、組合掲示板 を貸与しなければならない。 2 被申立人は、申立人との間で、浜松運転区講習室の利用について、速やかに協議しなけれ ばならない。また、被申立人は、浜松運転区のレターケースから回収した申立人投函の文書 を申立人に返還しなければならない。 3 被申立人は、申立人組合員に対し、組合からの脱退慫慂をして申立人の運営に支配介入し てはならない。 4 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
3020 組合活動への制約
業務上の必要から設置した各人のレターケースの利用につき、会社の対応が黙認から本来の許可制へ変更したこと、無断投函された組合文書を回収したことが、業務の支障等の状況を是正するためのやむを得ない措置とされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
組合に対する掲示板貸与の一時留保が、軽微な基本協約等の違反を口実とする組合運営に対する支配介入であるとされた例。
3020 組合活動への制約
組合の講習室の使用申込みに対し、使用時間を2時間としたこと、さらに、軽微な基本協約等の違反を理由に講習室の使用を拒否したことが、組合の活動を制約する過剰対応であるとして、組合運営に対する支配介入であるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
区長らの組合員らに対する脱退勧奨がいずれも認定され、組合に対する支配介入であるとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集101集355頁 |
評釈等情報 |
 
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