概要情報
事件名 |
商大八戸ノ里ドライビングスクール |
事件番号 |
大阪地労委 平成 4年(不)第34号
|
申立人 |
商大八戸ノ里ドライビングスクール職員組合 |
申立人 |
全国一般労働組合大阪府本部・大阪自動車教習所労働組合 |
被申立人 |
株式会社 商大八戸ノ里ドライビングスクール |
命令年月日 |
平成 6年 3月31日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、申立人全国一般の商大分会及び申立人商大八戸ノ里ドライビングスクール職員組合の行ったストに対抗して、会社がこれら両組合の組合員に時間外労働を命じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 大阪地労委は、会社が両組合の組合員に時間外労働を指示しなかった期間(商大分会員については、平成3年11月20日から同4年2月25日まで及び同年5月3日から同月26日まで、職員組合の組合員については、平成4年5月2日から同月26日まで)について、組合員らが時間外労働の指示を受けたならば得たであろう時間外労働手当相当額及び命令交付日から年5分加算した額の支払い、及び文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人全国一般労働組合大阪府本部・大阪自動車教習所労働組合商大分会の 組合員に対し、別表(1)(省略)のとおり平成3年11月20日から平成4年2月25日並びに平成 4年5月3日から同年5月26日までについて、同人らが時間外労働の指示を受けたならば得 たであろう時間外労働手当相当額及びこれに命令交付日から支払いに至るまで年率5分を乗 じた金額を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人商大八戸ノ里ドライビングスクール職員組合の組合の組合員に対し、 別表(2)(省略)のとおり平成4年5月2日から同年5月26日までについて、同人らが時間外 労働の指示を受けたならば得たであろう時間外労働手当相当額及びこれに命令交付日から支 払いに至るまで年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。 3 被申立人は、縦1m×横2m大の白色板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人本社正門付近の従業員の見やすい場所に、1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 全国一般労働組合大阪府本部・大阪自動車教習所労働組合 執行委員長 X1 殿 商大八戸ノ里ドライビングスクール職員組合 執行委員長 X2 殿 株式会社商大八戸ノ里ドライビングスクール 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において労働組合法第7条第1号及び 第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返 さないようにいたします。 記 (1)全国一般労働組合大阪府本部・大阪自動車教習所労働組合商大分会の組合員に対し、平 成3年11月20日から平成4年2月25日まで時間外労働を指示しなかったこと (2)全国一般労働組合大阪府本部・大阪自動車教習所労働組合商大分会の組合員に対し、平 成4年5月3日から同年6月27日まで、商大八戸ノ里ドライビングスクール職員組合の 組合員に対し、平成4年5月2日から同年6月26日まで時間外労働を指示しなかったこ と |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
申立て両組合が行った抗議ストは違法ストとはいえず、ストを行った両組合員に対して時間外労働を行わせなかったことは、対抗手段としても相当性を逸脱しており、ストを嫌悪した7条1、3号の不当労働行為であるとされた例。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
定年退職したX3から特段の意思表示もないので、同人の時間外労働についての組合の救済申立てはなお適法であるとされた例。
4408 バックペイが認められなかった例
36協定失効後の時間外労働不指示が不当労働行為でも、労基法上36協定失効期間中に時間外労働を指示することは違法となるので、バック・ペイは適当でなく、ポスト・ノーティスを命ずるのが相当とされた例。
|
業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集99集452頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 平成6年12月30日 1546号 21頁 
|