概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(国府津給電区) |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和63年(不)第3号
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申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部横浜支部 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
申立人 |
国鉄労働組合 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 1年 7月20日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
区長が組合員らに対して、個人面談等を利用して誹謗・中傷・脱退勧奨を行い、組合員の自宅を訪問する等して脱退工作を行ったことが争われた事件で、脱退勧奨等による支配介入の禁止、文書手交及び文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人は、東京圏運行本部国府津給電区の区長らをして就業時間中及び就業時間外にお いて申立人組合国府津給電区分会の組合員らに対し、申立人組合からの脱退勧奨をするなど 申立人組合の組織及び運営に対する支配介入を行ってはならない。 2.被申立人は、本命令後速やかに、下記の誓約書を申立人らに対して手交するとともに、縦 1m×横1.5mの白色木板に楷書で鮮明に墨書し、被申立人本社入口、国府津給電区及び同区 三島派出所出入口の見やすい場所に、毀損することなく10日間掲示しなければならない。 誓 約 書 当社が行った次の行為は、この度神奈川県地方労働委員会において労働組合法第7条第3 号に該当する不当労働行為である旨認定されました。当社は、再びこのような行為を繰り返 さないことを誓約します。 記 国府津給電区のY1区長が、昭和62年2月に同区に赴任して以降、就業時間中に貴組合員 らに誹謗・中傷を加えるなどして貴組合からの脱退を勧奨するとともに、就業時間外にも貴 組合員の自宅を訪問し、脱退工作を行ったこと。 平成 年 月 日 国鉄労働組合 執行委員長 X1 殿 国鉄労働組合東京地方本部 執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合東京地方本部横浜支部 執行委員長 X3 殿 東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
個人面談における区長の国労組合員X4に対する発言は、その内容からみて組合脱退を勧奨した支配介入に当たるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社が国労と争っている時期に区長が国労組合員の自宅を自ら訪問し組合脱退工作の目的で訪問したと自ら陳述していること等からみて、区長の立場で脱退勧奨を行ったものとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
就業時間中における区長の国労組合員X5に対する発言は、複数組合が併存する状況の中で、ことさら一方の組合の方針を批判したもので正当な組合活動に対する干渉行為であるとされた例。
3410 職制上の地位にある者の言動
区長の組合脱退勧奨の行為は、同人がその地位を利用して組合組織運営に介入したもので、会社はその責任を負わなければならないとされた例。
5121 挙証・採証
労委は組合が提出した区長の発言内容を記録した録音テープの反訳文の主要な事柄はすべて関係者から直接証言を得ているのであるから、テープは証拠として採用すべきでないとの会社主張は認められないとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集87集54頁 |
評釈等情報 |
 
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