労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  富田電機製作所 
事件番号  中労委 平成 2年(不再)第41号 
再審査申立人  株式会社 富田電機製作所 
再審査被申立人  全日本金属情報機器労働組合富田電機支部 
命令年月日  平成 4年 5月 6日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)夏季一時金について、団交継続中に、直接組合員に受領を促す等支給を強行しようとしたこと、(2)管理職をして、組合の組識問題に係る運動方針を批判させたこと、(3)組合脱退者に対して、従業員としての身分等についての説明会を開催したことが争われた事件で、(1)、(2)、(3)について同様の支配介入行為の禁止及びこれらに関する文書掲示を命じた初審命令のうち、(3)について組合の救済申立てを棄却したほかは、初審命令を支持し、再審査申立てを棄却した。 
命令主文  主  文
1 初審命令主文第2項及び同第3項を次のとおり変更し、再審査被申立人の説明会の開催に係る救済申立てを棄却する。
2)株式会社富田電機製作所は、管理職をして、全日本金属情報機器労働組合富田電機支部の組識問題に係る運動方針などを批判させることにより、同組合の組合運営に支配介入してはならない。
3)株式会社富田電機製作所は、本命令受領後速やかに、縦1メートル、横 1.5メートルの白紙に下記の文書を明瞭に記載し、本社及び厚木工場の正面入口付近の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
             記
                    平成 年 月 日
全日本金属情報機器労働組合富田電機支部
 執行委員長 X1  殿
              株式会社富田電機製作所
               代表取締役  Y1
 当社が、昭和62年度夏季一時金について貴組合と妥結をしないまま、組合員に対し当該一時金の支給を知らせ、またその受領を働きかけ、その支給を打切るなどの行為を行ったこと、及び、管理職が、貴組合の組識問題に係る運動方針などを批判する発言を行ったことは、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると中央労働委員会により認定されました。当社は、今後再びこのような行為を繰り返さないようにします。
2 その余の本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2901 組合無視
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
会社部長ら管理職らが夏季一時金をめぐり、労使間に紛議が生じている時期に、組合員個々に直接一時金を受領するよう働きかけたことが支配介入に当たるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社部長の組合員X2に対する発言が、上部団体加盟という組合の組識問題に係る方針を批判したもので支配介入に当たるとされた例。

3102 争議対抗手段
夏季一時金の妥結前支給から支給打切りに至る会社の一連の行為が、組合員個々の要求があったとしても、労使間の団交をないがしろにするものであり、かつ組合の方針に反することを強行しようとした支配介入であるとされた例。

3106 その他の行為
会社幹部が組合脱退者に対して、その求めに応じて、賃金や従業員としての地位について説明会を開催したことが不当労働行為に当たるとした初審命令は失当であるとされた例。

4601 「抽象的不作為命令」を命じた例
4617 その他
会社が労使関係において重要な意味を持つ団交をないがしろにしていること等の本件救済として、将来における同様行為の反復の危険を防止するため、同様行為の禁止と文書掲示の命令を発する必要があるとされた例。

業種・規模  電気機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集94集696頁 
評釈等情報  中央労働時報 平成4年9月10日  347号 16頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
神奈川地労委 昭和62年(不)第32号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成 2年 5月25日 決定 
 
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