概要情報
事件名 |
富田電機製作所 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和62年(不)第32号
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申立人 |
全日本金属情報機器労働組合富田電機支部 |
被申立人 |
株式会社 富田電機製作所 |
命令年月日 |
平成 2年 5月25日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合と夏季一時金について妥結しないまま、直接組合員に対して一時金の支給を知らせ、またその受領を働きかけ、支給を打ち切るなどの行為をしたこと、(2)管理職をして、組合の運動方針を批判させたり、脱退者に対する説明会の開催などを通じて、組合の分裂を助長したことが争われた事件で、(1)及び(2)の行為による組合運営へのへの支配介入の禁止及びこれに関する文書の掲示を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人組合と夏季一時金について妥結しないまま、直接組合員に対して一時金の支給を知らせ、またその受領を働きかけ、支給を打ち切るなどの行為により、申立人組合の組合運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、管理職をして、組合の運動方針を批判させたり、脱退者に対する説明会の開催などを通じて、組合の分裂を助長することにより、申立人組合の組合運営に支配介入してはならない。 3 被申立人は、本命令後速やかに、次の内容の誓約書を縦1メートル、横 1.5メートルの白紙に楷書で鮮明に墨書し、川崎本社及び厚木工場の正面入口の見やすい場所に、き損することなく、10日間掲示しなければならない。 誓 約 書 当社が、貴組合と妥結のないまま、組合員に対し一時金の支給を知らせ、またその受領を促し、後に支給を打ち切るなどの行為を行ったこと、管理職が、貴組合の運動方針を批判したり、貴組合の内部問題に介入する発言を行ったこと、脱退者に対する説明会を通じて脱退者を擁護し、組合の分裂を助長するなどしたことは、神奈川県地方労働委員会により不当労働行為であると認定されました。当社は再びこのような行為を繰り返さないことを誓約します。 平成 年 月 日 全日本金属情報機器労働組合富田電機支部 執行委員長 X1 殿 株式会社富田電機製作所 代表取締役 Y1 4 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
会社の管理職が組合の運動方針を批判したことが支配介入であるとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が組合と一時金について妥結しないまま、直接組合員に対し一時金の支給を知らせ、その受領を働きかけ、支給を打ち切るなど一連の行為が支配介入にあたるとされた例。
3106 その他の行為
組合脱退者に対する説明会を開催したことが、組合分裂を助長する支配介入にあたるとされた例。
5005 損害賠償の請求
組合脱退者に対する将来的な便宜供与を禁止する不作為命令及び会社の支配介入によって生じた損害について賠償金を求めた請求が認められなかった例。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集90集255頁 |
評釈等情報 |
 
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