概要情報
事件名 |
モービル石油 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和61年(不)第10号
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申立人 |
スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合 |
被申立人 |
モービル石油 株式会社 |
命令年月日 |
平成 3年10月14日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合員X1ら4名の争議行為時等の各行為を理由として減給等の懲戒処分に付したこと、(2)組合員X2に対して賃金差別を続けていること、(3)X2及びX1に対し昭和60年夏季・冬季一時金を差別支給したことが争われた事件で、(2)のX2に係る賃金是正の申立てのうち、昭和60年3月7日以前の申立てについては申立期間が徒過しているとして却下し、その余の申立てはいずれも不当労働行為には当たらないとして棄却した。 |
命令主文 |
1.申立人の、申立人組合員X2に係る賃金差別是正に関する申立てのうち昭和60年 3月7日以前に係る申立ては却下する。 2.申立人の、その他の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
0204 団交・争議に付随する行為
組合が争議行為時に行ったデモ行進、マイク演説等の行為は、これに訴えざるを得ない必要性は認められず行き過ぎたものであり、正当な組合活動の域を越えたものとされた例。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
組合員X3の無断離席は2時間に及びものでその際適当な措置をとっておらず、止むを得ない事情があったとも認められないので、動人の行為は正当なものとは認められないとされた例。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
組合員3名の取締役に対する抗議行動は、就業時間中に同取締役の注意を無視し、執拗に行われたもので、行き過ぎたところがあり問題がなかったとまではいえないとされた例。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
組合のステッカー貼付が会社の中止要請に反し行われたこと、会社は違反行為には相応の措置をとる旨申し入れていること等からすると、会社職制によるステッカー剥がしに対する組合の就業時間中に行った抗議行動は正当なものとは認められないとされた例。
0411 怠業
コンピューターによる集中管理システムの変更とは認め難い簡易な変更に関してVDT業務の拒否まで行うことは相当でなく、その後団交で同システムの内容を説明した後においても同業務を拒否し続けたもので、正当な組合活動とは認められないとされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
組合員X2と同年齢、同学歴のX1との賃金格差は、採用年次及び臨時雇用従業員として採用された期間の取扱いによるもので不当労働行為とは認められないとされた例。
1202 考課査定による差別
昭和60年夏季一時金について、組合員2名が組合との妥結月率より低く査定されたのは、同人らのVDT業務拒否がその一因であると推認され、この拒否は正当な組合活動ではないから、同一時金の格差は不当労働行為によるものではないとされた例。
1202 考課査定による差別
昭和60年冬季一時金について、組合員2名が組合との妥結月率より低く査定されたことが、組合が差別の存在を疑わせるような事実の疎明を行っていないこと等から、直ちに不当労働行為によるものとは認められないとされた例。
1400 制裁処分
組合員X1ら4名に対する減給あるいは出勤停止処分の理由とされている本件争議行為時の行為等はその態様等からして懲戒処分理由として合理性が認められ、不当労働行為とは認められないとされた例。
5200 除斥期間
組合員X2の入社以降本件申立日の1年前の前日までの期間に係る賃金格差の是正に関する申立てが申立期間を徒過したものとして却下された例。
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業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集725頁 |
評釈等情報 |
 
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