概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(立川車掌区脱退勧奨) |
事件番号 |
東京地労委 昭和63年(不)第7号
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申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部八王子支部 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部八王子支部立川車掌区分会 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 3年 7月16日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社の車掌区長が、組合員X1ら3名に対し組合からの脱退を勧奨したことが争われた事件で、X1に対する脱退勧奨に関する文書掲示及び履行報告を命じ、他の2名に対する脱退勧奨については、その疎明がないとして申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1.被申立人東日本旅客鉄道株式会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記の文書を55cm×80cm(新聞紙2頁大)の白紙に、楷書で明瞭に墨書して、被申立人会社の立川車掌区の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。 記 平成 年 月 日 国鉄労働組合東京地方本部 地方執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合東京地方本部八王子支部 執行委員長 X3 殿 国鉄労働組合東京地方本部八王子支部立川車掌 区分会 執行委員長 X4 殿 東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 昭和62年9月6日および同年9月8日、当時の当社立川車掌区長Y2が、貴組合所属の組 合員X1氏に対し、「国労のことだが、向こう(東京車掌区)には1割ぐらいしかいないか ら、今のままで(東京車掌区へ)行くと苦労する。他労組の人は仕事も教えてくれない」、 「国労に残っているのは赤でどうしようもないものばかりだ。そんなところへ行けば、君な んか引っ張り込まれ抜けられない」とか、「転勤するときは、皆きれいな身体になって行く そうだ。君一人だ国労で行くのは。大勢に従っていた方がいい。やめる気はないか」などと 言って、貴組合からの脱退を勧奨したことは、当社の不当労働行為であると東京都地方労働 委員会において認定されました。今後このような行為を繰り返さないよう留意します。 2.被申立人会社は、前項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければな らない。 3.その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社の車掌区長の組合員X1に対する言動は、会社の意に沿って、職制上の地位を利用して組合員X1に組合からの脱退を勧奨したもので、支配介入に当たるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
5121 挙証・採証
会社の車掌区長の組合員X5及びX6に対する言動に係る申立てについては、その事実に関する疎明がないことから支配介入は成立しないとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集42頁 |
評釈等情報 |
 
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