概要情報
事件名 |
大手前高松高等(中)学校 |
事件番号 |
香川地労委 昭和61年(不)第10号
香川地労委 昭和63年(不)第2号
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申立人 |
香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合 |
被申立人 |
学校法人 倉田学園 |
命令年月日 |
平成 2年 6月 6日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
学園が、就業時間外の職員室での組合ニュースの配布に対し、組合員8名を出勤停止等の処分としたり、教頭を通じて制止、回収せしめたことが争われた事件で、(1)組合員8名に対する上記各処分の撤回、バックペイ(年5分加算)、(2)うち組合員5名については各処分がなかったものとして昇給の実施、バックペイ(年5分加算)(3)教頭を通じて制止、回収せしめるなどによる支配介入の禁止、(4)文書手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人学園は、申立人組合の下記組合員に対する昭和60年9月20日付及び同年10月4日付の組合ニュース配布などを理由とする下記各処分を撤回するとともに、下記組合員のうち組合員X1を除くその他の組合員に対してそれぞれの減給額又は出勤停止処分に伴う賃金不払額に各支払い期日の翌日から支払い済みに至るまで年5分の割合で算出した金員を附加して支払わなければならない。 記 処分通告書の日付 懲戒の種類 申立人組合員の氏名 減給額等
昭和60年9月20日 出勤停止 X2 2,570円 減 給 X3 5,044円 減 給 X4 4,237円 減 給 X5 3,326円 厳 告 X6 - 厳 告 X7 - 厳 告 X1 - 厳 告 X8 - 昭和60年10月4日 出勤停止 X2 2,570円 減 給 X3 5,044円 減 給 X4 4,237円 減 給 X5 3,326円 減 給 X6 4,035円 減 給 X7 3,720円 減 給 X8 3,651円 2 被申立人学園は、組合員X3・同X4・同X6・同X7・同X8に対して、上記各処分がなかったものとして昭和61年の昇給を実施するとともに、昇給実施により支払うべき給与額と支払い済み給与額との差額に各支払い期日の翌日から支払い済みに至るまで年5分の割合で算出した金員を附加して支払わなければならない。 3 被申立人学園は、申立人組合執行委員長X2に対する昭和62年3月20日付の出勤停止処分を撤回するとともに、同委員長に対して同処分に伴う賃金不払額25,616円に昭和62年3月21日から支払い済みに至るまで年5分の割合で算出した金員を附加して支払わなければならない。 4 被申立人学園は、申立人組合の正当な組合活動である就業時間外の職員室での組合ニュースの配布に対し、その職制を通じて制止、回収するなどして、組合の運営に支配介入してはならない。 5 被申立人学園は、本命令受領後10日以内に下記の文書を申立人組合に手交しなければならない。 記 平成 年 月 日 香川県大手前高松高等(中)学校教職員組合 執行委員長 X2 殿 学校法人 倉田学園 理事長 Y1 貴組合が始業時刻前に職員室で組合ニュースを配布したことなどに関し、当学園が組合員に対して昭和60年9月20日付、同年10月4日付及び昭和62年3月20日付で処分をしたり、職制を通じて制止、回収せしめたことは、香川県地方労働委員会によって不当労働行為であると認定されました。今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
本件組合ニュースの配布は、その記載内容、配布時間、場所、方法等からみて、許容されるべきであるとされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
組合ニュース配布において上司を中傷する発言をなしたことを理由に各懲戒処分に付し、これを前提に昇給停止したことが不利益取扱いであるとされた例。
1400 制裁処分
職員室内で始業時前の数分間にわたり組合ニュースを配布したことを理由に組合委員長を出勤停止処分に付したことが不当労働行為であるとされた例。
1400 制裁処分
組合ニュース配布時において上司を中傷する発言をなしたことを理由に組合員らを出勤停止、減給、厳告等の処分に付したことが不利益取扱いであるとされた例。
3020 組合活動への制約
学園教頭が組合ニュース配布を制止し又はこれを回収したことが支配介入にあたるとされた例。
4825 その他
学園が主張するいわゆる中間管理職は使用者の利益を代表する者に該当せず、これらの者を含んだ申立人組合には申立人適格があるとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集90集278頁 |
評釈等情報 |
 
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