概要情報
事件名 |
小西厩舎・日本調教師会(解雇) |
事件番号 |
千葉地労委 昭和61年(不)第3号
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申立人 |
総評全国一般労働組合千葉地方本部 |
申立人 |
X1 |
被申立人 |
社団法人 日本調教師会 |
被申立人 |
Y1 |
命令年月日 |
平成 2年 1月16日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
日本調教師会及び調教師Y1が、Y1への暴力行為を理由に組合員X1に対して解雇通告を行ったことが争われた事件で、組合員X1に対する解雇通告の撤回、原職復帰又は他厩舎の厩務員への就職及びバックペイを命じ、陳謝文の手交・掲示、新聞への記載及び申立てに要した諸費用の支払いについての申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人社団法人日本調教師会及び被申立人Y1は、申立人X1に対して、昭和61年3月7日に行った同月13日付けをもって解雇する旨の解雇通告を撤回して、原職に復帰させるか、又は、日本中央競馬会美浦トレーニングセンター競馬場内の厩舎の厩務員に就職させなければならない。 2 被申立人Y1は、申立人X1に対し、上記解雇の日の翌日から上記復帰又は就職の日までの間に同人が受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。 3 その余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0600 暴力行為
本件解雇は、厩務員X1が使用者である調教師Y1に暴力をふるったことを理由になされたものであるが、他厩舎への就職を認めない方針を含む処分は過酷にすぎ、不当労働行為であるとされた例。
4400 原職相当職への復帰を命じたもの
使用者である調教師Y1に対する暴力行為を理由に厩務員X1を解雇したことについての救済として、調教師会及び調教師Y1両者の合意のうえで、原職に復帰させるか、他の厩舎に就職させるかを選択のうえ同人を就労させるように救済するのが相当であるとされた例。
4900 請負・委任・派遣契約
調教師は、厩務員との労働契約の相手方たる当事者であって、厩務員の労務提供について指揮・監督し、賃金を支払っているのであるから、労組法7条の使用者に当たるとされた例。
4917 使用者団体
調教師会は、厩務員の労働関係上の諸利益に、具体的かつ現実的に支配力又は影響力を行使していること等から、厩務員に対しては個々の調教師とそれぞれ重畳的に労組法7条の使用者に当たるとされた例。
5111 被申立人の追加
調教師会は、同会懲戒委員会の決定に基づき調教師Y1をして本件解雇通告を行わせたものであるので、同会を被申立人として追加決定したとされた例。
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業種・規模 |
娯楽業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集89集101頁 |
評釈等情報 |
 
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