概要情報
事件名 |
九州旅客鉄道(福岡配属) |
事件番号 |
福岡地労委昭和62年(不)第14号
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申立人 |
国鉄労働組合門司地方本部 |
申立人 |
X1 ほか4名 |
申立人 |
国鉄労働組合 |
被申立人 |
九州旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 1年 8月24日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合員5名を非現業職から外して、駅の営業係等の現業職への配属命令を行ったことが争われた事件で、上記5名の配属命令の撤回、原職復帰、X2ら3名の職務等級の是正、バック・ペイ及びこれに関する文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人は、申立人X1、同X3、同X4、同X2及び同X5に対し昭和62年 3月16日付 でなした同年 4月 1日の配属命令を撤回し、同人らを主文別表記載の勤務箇所において就労 させなければならない。 2.被申立人は、申立人X1、同X3、同X4、同X2及び同X5を昭和62年 4月 1日付で主 文別表記載の職名にあったものとして取り扱い、同人らのうち、X3、X4及びX2につい ては同表記載の等級に格付するとともに、主文第 1項によってX1ら 5名が就労する迄の間 の賃金差額を支払わなければならない。 (別表略) 3.被申立人は、本命令交付後5日以内に、下記文書を申立人組合及び個人申立人X1ら5名 にそれぞれ手交するとともに、縦1m×横1.5mの白紙に明瞭に墨書して、被申立人会社の本 社(北九州市所在の旧本社を含む)の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならな い。 記 国鉄労働組合の組合員X1、同X3、同X4、同X2及び同X5に対し昭和62年 3月16日 付でなした同年 4月 1日の配属命令は、同人らが国鉄労働組合の組合員であることを理由と する不利益取扱いであり労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為である と福岡県地方労働委員会において認定されました。 今後このような行為をしないよう留意致します。 平成 年 月 日 国鉄労働組合 執行委員長 X6 殿 国鉄労働組合門司地方本部 執行委員長 X7 殿 X1、X2、X3、X4、X5 殿 九州旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
国鉄が行った昭和62年3月10日の人事異動及び設立委員が行った同年3月16日付配属により、本件申立人5名が財務部資材課からうどん店の店員、改札係、遺失物放送係等に配置したことが不当労働行為であるとされた例。
3900 「不利益の範囲」
本件に配属により、本件申立人らは、経済的不利益を受け、精神的苦痛、組合活動上著しく制約を受けていると認められた例。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
本件申立人X2は、昭和63年2月5日付で本人の希望にもとづく配転が行われたのは、通勤上の困難を解消するためのもので、本件配属を是認したものではなく、不利益は解消されていないので救済利益は存するとされた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄が行った昭和62年3月10日の人事異動は、設立委員を代行したもので、その行為の責任は設立委員が負うべきであり、新会社に帰責されるから、会社は本件被申立人適格を有するとされた例。
5008 その他
本件申立人らは配属にかかる身分上及び経済上の不利益のうち経済的部分については「請求する救済内容」に掲記してないが、審問の全記録からみてその是正措置を原状回復に含めることは労委の裁量権に属するとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集87集391頁 |
評釈等情報 |
 
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