概要情報
事件名 |
川崎幸病院 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和59年(不)第10号
|
申立人 |
X1 |
申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部 |
申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部幸病院分会 |
被申立人 |
医療法人財団 石心会 |
命令年月日 |
昭和60年 4月30日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
組合員X1に対して、レセプト期間中の繁忙を理由に年次有給休暇を認めず、同人の不就労を欠勤扱いにするとともに、戒告処分に付したこと、同人が配転命令に応じないことを理由に出勤停止処分に付したこと及び組合が組合のニュースの内容の撤回と自己批判に応じないことを理由に団交を拒否したことが争われた事件で、(1)X1の不就労を年次有給休暇として取り扱うこと及び同人に対する戒告処分の撤回、(2)配転命令の撤回、原職復帰及び出勤停止処分の撤回、(3)組合ニュースの内容の撤回及び自己批判がないことを理由とする団交拒否の禁止、(4)組合ニュースの内容の撤回及び自己批判を団交開催の前提条件とすることによる支配介入の禁止及び(5)ポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人X1の昭和59年2月29日の不就労を年次有給休暇として取り扱い、同年3月2日付けで同人に対して発した戒告処分を撤回しなければならない。 2 被申立人は、申立人X1に対する昭和59年4月28日付けの配置転換命令を撤回し、同人を原職に復帰させ、同人に対する同年5月2日付け出勤停止処分を撤回しなければならない。 3 被申立人は、申立人総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部幸病院分会が申し入れる団体交渉を同分会が作成した組合ニュースの内容の撤回及び自己批判がないことを理由に拒否してはならない。 4 被申立人は、申立人総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部幸病院分会が作成した組合ニュースの内容の撤回及び自己批判を団体交渉開催の前提条件条件として、同分会の運営に支配介入してはならない。 5 被申立人は、本命令交付後速やかに、下記文書を縦1メートル、横2メートルの白色木板に楷書で明瞭に墨書して、被申立人川崎幸病院の職員食堂内の職員の見易い場所に、毀損することなく10日間掲示しなければならない。 記 当財団が行った次の行為は、いずれも不当労働行為である旨神奈川県地方労働委員会により認定されました。当財団は、ここに深く反省するとともに、再びこのような行為を繰り返さないことを誓約致します。 1.当財団が、貴組合員X1の昭和59年2月29日の年次有給休暇に対して時季変更権を行使し、同日の不就労を欠勤扱いとし、かつ、これを理由に同年3月2日付けで同人に対して戒告処分を行ったこと。 2.当財団が、貴組合員X1に対して、昭和59年4月28日付けで配置転換命令を発し、かつ、これに応じないことを理由に出勤停止処分を行ったこと。 3.当財団が、貴組合作成の組合ニュース第44号の内容の撤回と自己批判に貴組合が応じないことを理由に団体交渉を拒否したこと及びそれによって組合の運営に支配介入したこと。 年 月 日 総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部 執行委員長 X2 殿 総評全国一般労働組合神奈川地方連合川崎地域支部幸病院分会 執行委員長 X3 殿 医療法人財団 石心会 理事長 Y1 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
1400 制裁処分
組合員X1に対する医事課から地域保健部への配転命令及び配転命令拒否を理由とする出勤停止処分が、不当労働行為とされた例。
1400 制裁処分
組合員X1に対して、レセプト期間中の繁忙を理由に年次有給休暇を認めず、その不就労を欠勤扱いとし、戒告処分に付したことが、不当労働行為とされた例。
2244 特定条件の固執
3102 争議対抗手段
組合に組合ニュースの内容の撤回と自己批判を求め、それに応じないことを理由に組合員X1の配転等に関する団交を拒否したことが、不当労働行為とされた例。
|
業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集77集379頁 |
評釈等情報 |
 
|