労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  日本シェーリング 
事件番号  中労委 昭和55年(不再)第39号 
再審査申立人  日本シェーリング 株式会社 
再審査被申立人  X1他10名 
再審査被申立人  総評合化労連化学一般日本シェーリング労働組合 
命令年月日  昭和58年 8月 3日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  (1)組合活動の拠点である電算課を廃止し組合員を配転したこと、(2)賃上げ、一時金についての団交を拒否したこと、(3)51年度及び52年度の賃上げに際し、稼働率80%以下の者を対象から除外するとの条項及び妥結月払い条項を導入したこと、(4)50年冬季一時金、51年夏季及び冬季一時金について別組合員より不利益に取り扱ったこと、(5)組合費のチェック・オフを一方的に廃止したことなどが争われた事件で、初審は、(1)組合員が電算業務を希望した場合の優先配転、(2)団交応諾、(3)80%条項及び妥結月払い条項の撤廃とバックペイ、(4)51年の一時金についての再査定とバックペイ、(5)臨時組合費のチェック・オフの再開を命じ、50年の一時金については却下、定期組合費のチェック・オフについては棄却した。このうち救済部分について会社側から再審査申立てがなされ、中労委は、一時金是正の比較基準を改めるなど若干の変更を加えたほかは、再審査申立てを棄却した。 
命令主文  I 初審命令主文の一部を次のように変更する。
1 第1項中「団体交渉の申入れに対し、」の次に「被申立人から」を加え、「一方的に指定することなく、」を「限定して団体交渉を申し入れ、この申し入れに組合が文書で応諾しない限り団体交渉を行わないとの態度に固執することなく、」に改める。
2 第2項本文中「を撤回し、」を「の適用を除外し、」に改める。
3 第4項本文中の「における査定」及び「それによって」を削り、同項(1)中「各人に対する査定部分を全日本シェーリング労働組合の組合員」を「の査定部分の平均が、全日本シェーリング労働組合の営業所の内勤者である組合員」に改め、同項(2)中「査定に基づいて既に申立人組合員各人に支給した」を「既に申立人組合員各人に支給した査定部分の」に改め、同項(2)の次に(3)として次のように加える。
(3) 上記各一時金の算出に当たっては、昭和51年度賃上げにおける80%条項該当組合員に対して同年度賃上げが行われたものとして計算すること。
4 第6項中「別紙申立人目録記載の組合員」を「別紙1再審査被申立人目録記載の組合員(X2及びX3を除く。)」に改める。
5 第3項を削り、第4項を第3項とし、第5項を第4項とし、第6項を第5項とし、第7項を第6項とする。
II その余の本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  1202 考課査定による差別
2901 組合無視
一時金につき別組合員より低く査定し支給したことが不当労働行為になるとした初審判断が支持された例。

1201 支払い遅延・給付差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
稼働率80%以下の者は賃上げの対象としないとの条項及び妥結月払い条項は不利益取扱いであり、組合の弱体化を図った不当労働行為であるとして初審判断を支持した例。

1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合活動の拠点となっている電算課の廃止及びこれに伴う組合員の配転は不当労働行為であり、初審判断は相当であるとされた例。

2211 団交ルールの先議
出席人員、議題などについて書面による合意ができていないことなどを理由に団交を拒否したのは不当労働行為であるとした初審判断が相当であるとされた例。

2800 各種便宜供与の廃止・拒否
臨時組合費のチェック・オフを一方的に拒否したことが不当労働行為になるとした初審判断が相当とされた例。

4415 賃金是正を命じた例
初審命令は、一時金の是正にあたり別組合員の平均月数と同一となるように再査定することを命じているが、申立人組合は内勤者のみで構成され、別組合は6割以上が外勤者であり、一時金に差があるから、内勤者を基準に是正するように改めるのが相当であるとされた例。

業種・規模  化学工業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集74集823頁 
評釈等情報  中央労働時報 1983年11月10日  706号 15頁 
労働法律旬報 大川真郎 森本宏 1984年2月25日 1090号 45頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪地労委 昭和50年(不)第59号/他 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和55年 6月 6日 決定 
東京地裁 昭和58年(行ウ)第133号 救済命令の一部取消し  平成 2年 3月 8日 判決 
 
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