労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  コミュニケーション・アンド・スタディーズ 
事件番号  中労委 昭和55年(不再)第38号 
再審査申立人  コミュニケーション・アンド・スタディーズ・インターナショナル・リミテッド 
再審査被申立人  出版労連C&S日本支社労働組合 
命令年月日  昭和58年 3月 2日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  団交開催条件に固執した団交拒否、組合要求についての従業員への直接回答、委員長に対する退職勧告及びマネージャーミーティングへの出席禁止、組合員10名の解雇などが争われた事件で、初審は、開催条件に固執した団交拒否の禁止、従業員への直接回答の禁止、委員長に対する不利益取扱いの禁止、組合員10名のうち取り下げた2名を除く8名についての原職復帰、バック・ペイ並びにポスト・ノーティスを命じた。使用者から再審査申立てがなされ、中労委は、団交応諾や従業員への直接回答の禁止の部分については、現在団交が行われていることから取り消し(文書手交の中には記載)、委員長に対する不利益取扱い、解雇の部分については和解が成立していることから取り消し、委員長を除く組合員7名の原職復帰等については初審命令を維持し、ポスト・ノーティスについては文書手交に変更した。 
命令主文  1 初審命令主文を次のとおり変更する。
(1) コミュニケーション・アンド・スタディーズ・インターナショナル・リミテッドは、出版労連C&S日本支社労働組合の組合員X1、同X2、同X3、同X4、同X5、同X6及び同X7を原職又は原職相当職に復帰させ、解雇した日の翌日から復帰するまでの間に同人らが受けるはずであった諸給与相当額を支払わなければならない。
(2) コミュニケーション・アンド・スタディーズ・インターナショナル・リミテッドは、出版労連C&S日本支社労働組合に対して、本命令書受領後、速やかに下記の文書を手交しなければならない。
              記
                    昭和 年 月 日
出版労連C&S日本支社労働組合
執行委員長 X8殿
        コミュニケーション・アンド・スタディーズ
        ・インターナショナル・リミテッド
                日本における代表者
                Y1
 当社が行った下記の行為は、不当労働行為であると中央労働委員会において認定されました。今後は、このようなことのないようにいたします。
              記
(1) 当社が、昭和53年7月31日付で、貴組合員X1、同X2、同X3、同X4、同X5、同X6及び同X7の各氏を解雇したこと。
(2) 当社が、貴組合から申し入れのあった昭和53年5月15日付要求書に係る団体交渉について、開催場所、交渉人員の制限などの団体交渉開催条件が一致しないことを理由として、これに応じなかったこと。
(3) 当社が、貴組合から申し入れのあった昭和53年5月15日付要求書に係る賃金、一時金などに対し、貴組合をさしおいて直接各従業員に回答し、かつその承諾を求めたこと。(注:年月日は手交の日付を記載すること。)
2 その余の本件再審査申立てを記載する。 
判定の要旨  0700 職場規律違反
抗議行動の行過ぎなどにより職場秩序を乱したとして数名の組合員を解雇したことが不当労働行為になるとした初審判断が支持された例。

2213 交渉人数
団交が上部団体の役員も参加し、組合員が多数傍聴する中で行われたとしても、交渉人員を双方3 名にするなどの条件に固執しつづけるのは正当性がないとされた例。

2901 組合無視
組合の要求に対し、団交に応ぜず、従業員に直接回答を示し承諾書の提出を求めたことは支配介入にあたるとした初審判断が支持された例。

4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
5122 和解・取下
再審査審問終結後に委員長の解雇問題等に関して和解が成立し、会社からその部分の再審査申立ての取下げがなされ、組合からもその部分の被救済利益を放棄する旨の上申書が提出されたことから、初審の救済命令のうち当該部分が取り消された例。

4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
団交条件に固執し交渉拒否があったにせよ、その後地労委の立合のもとに10回以上にわたり団交が行われ、協定の成立をみていることなどからすれば、団交拒否してはならない旨を命ずることは適当と認められないとして、初審の当該部分の命令が取り消された例。

4505 その他
団交開催条件に固執した団交拒否、組合幹部等の解雇に関する救済にあたり、団交が行われている現状から文書手交にとどめるのが相当であるとして、ポスト・ノーティスを文書手交にかえた例。

4617 その他
組合要求に関し従業員に対し直接回答したことは支配介入にあたるが、その後団交も行われ、諸問題の解決が図られていることなどからすれば、組合飛越回答をするなどして組合の運営に介入してはならない旨を命ずるのは適当でないとして、その部分の初審命令を取り消した例。

4825 その他
マネージャーが加入する組合は労組法でいう組合に該当しないとの会社側主張について、マネージャーは雇入れに関して直接の権限が付与されていないことなどから「使用者の利益を代表する者」にはあたらないとされた例。

5124 その他の審査手続
初審の審査手続においては通訳の選定、証人の整理などに公正を欠く点があり違法であるとの主張が斥けられた例。

業種・規模  出版・印刷・同関連産業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集73集521頁 
評釈等情報  中央労働時報 1983年6 月10日 700 号 32頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京地労委 昭和53年(不)第89号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和55年 5月20日 決定 
 
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