概要情報
事件名 |
コミュニケーション・アンド・スタディーズ |
事件番号 |
東京地労委 昭和53年(不)第89号
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申立人 |
出版労連CアンドS日本支社労働組合 |
被申立人 |
コミュニケーション・アンド・スタディーズ・インターナショナル・リミテッド |
命令年月日 |
昭和55年 5月20日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
団交開催条件に固執した団交拒否、組合要求を無視した従業員への直接回答、執行委員長に対する退職勧告及びマネージャーミーティングへの出席禁止、組合役員を含む組合員10名の解雇が争われた事件で、一方的な団交開催条件固執による団交拒否の禁止、組合要求に関し直接従業員に回答するなどによる支配介入の禁止、執行委員長に対する不利益取扱いの禁止、組合員10名の解雇のうち事件を取下げた2名を除く組合員8名の原職または原職相当職の復帰、バックペイ、ポスト・ノーティス及び履行後の文書報告を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人コミュニケーション・アンド・スタディーズ・インターナショナル・リミテッドは、申立人出版労連C&S日本支社労働組合の申し入れる団体交渉について、開催場所、交渉人員の制限など自ら提案する一方的な団体交渉開催条件に固執することによって、これを拒否してはならない。 2 被申立人は、申立人組合の要求した賃金、一時金などに対し、同組合をさしおいて、直接各従業員に回答し、かつその承諾を求めるなどして、同組合の運営に介入してはならない。 3 被申立人は、申立人組合の執行委員長に対して、退職勧告や、マネージャーミーティングへの出席禁止などをして、申立人組合を弱体化しようとしたり、同執行委員長を不利益に取り扱ってはならない。 4 被申立人は、申立人組合の組合員X1、同X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X7およびX8を原職または原職相当職に復帰させ、解雇した日の翌日から復帰するまでの間に同人らが受けるはずであった諸給与相当額を支払わなければならない。 5 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に縦55センチメートル、横80センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に、下記の内容を楷書で、明瞭に墨書して、被申立人の日本における営業所内の見易い場所に10日間掲示しなければならない。 記 昭和 年 月 日 出版労連C&S日本支社労働組合 執行委員長 X2 殿 コミュニケーション・アンド・スタディーズ・ インターナショナル・リミテッド 日本における代表者 Y1 当社が行った下記の行為は、不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後は、このような行為を繰り返さないよう留意いたします。 記 (1) 当社が、貴組合の申し入れる団体交渉について、開催場所、交渉人員の制限などの団体交渉開催条件に固執して、これを拒否したこと。 (2) 当社が、貴組合の要求した賃金、一時金などに対し、貴組合をさしおいて、直接各従業員に回答し、かつその承諾を求めたこと。 (3) 当社が、貴組合の執行委員長に対して、退職勧告や、マネージャーミーティングへの出席禁止をしたこと。 (4) 当社が昭和53年7月31日付で、貴組合員X1、同X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X7および同X8の各氏を解雇したこと。 (注、年月日は文書を掲示した日を記載すること。) 6 被申立人は、前記第4、5項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければならない。 |
判定の要旨 |
0500 勤務成績不良
組合結成後間もない労使紛争の時期に勤務不良を理由に執行委員長に対し退職勧告したことが、不当労働行為とされた例。
0700 職場規律違反
職場秩序を乱したことを理由とする組合四役を含む組合員8名の解雇が不当労働行為とされた例。
1400 制裁処分
退職勧告を拒否した執行委員長に対するマネージャーミーティングへの出席禁止が不利益取扱いとされた例。
2212 交渉の場所・時間
2213 交渉人数
交渉員・交渉場所などに固執した団交拒否が不当労働行為とされた例。
2901 組合無視
組合を無視して従業員へ直接回答したことが支配介入とされた例。
4831 組織変更
使用者の利益代表者であるマネージャーを加入させている組合は申立人適格を有しないとする会社主張が斥けられた例。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集67集485頁 |
評釈等情報 |
 
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