労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  東日本旅客鉄道(東京配属) 
事件番号  東京地労委 昭和62年(不)第34号 
東京地労委 昭和62年(不)第35号 
東京地労委 昭和62年(不)第36号 
東京地労委 昭和62年(不)第37号 
東京地労委 昭和62年(不)第38号 
東京地労委 昭和62年(不)第39号 
東京地労委 昭和62年(不)第40号 
申立人  国鉄労働組合東京地方本部八王子支部 
申立人  国鉄労働組合東京地方本部 
申立人  国鉄労働組合東京地方本部八王子支部中野電車区分会 外7分会 
被申立人  東日本旅客鉄道 株式会社 
命令年月日  昭和63年12月20日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  設立委員及び会社が、62年4月1日及び同月2日以降、組合員308名に対して行った配属命令及び勤務指定が争われた事件で、上記配属命令を撤回して3か月以内に改めて公正な配属発令を行うこと、再配属の具体的方法についての組合との協議、公正な勤務指定の実施、差別取扱いによる支配介入の禁止、文書掲示及び文書による履行報告を命じた。 
命令主文  主   文
1 被申立人東日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合東京地方本部、同八王子支部、同中野電車区分会、同三鷹電車区分会、同武蔵小金井電車区分会、同豊田電車区分会、同新橋支部、同田町電車区分会、同品川電車区分会及び同蒲田電車区分会に所属する別表I~VIII記載の組合員に対し、次の措置を講じなければならない。
 (1) 設立委員が東日本旅客鉄道株式会社設立委員会委員長名でなした別表I~VIII記載の昭和62年4月1日付配属通知における兼務発令および被申立人会社のなした同じく別表I~VIII
記載の同年4月2日以降における兼務発令・配転発令(ただし、別表IIIの12、別表IVの26~ 30・33、別表Vの39~45および別表VIIの30・31の各組合員に対する昭和62年5月20日付配転発令を除く。)をそれぞれ撤回して別表I~VIIIの「所属職名」欄記載の所属職名に復帰させたうえ、本命令交付後3か月以内に改めて組合所属の如何によらない公正な仕方で配属の発令を行うこと
(ただし、再発令が行われるまでの間、別表I~VIII記載の組合員の担当業務は現状のままとする。)
 (2) 上記の再配属の具体的方法に関し、申立人国鉄労働組合東京地方本部または申立外国鉄労働組合東日本本部から協議ないし団体交渉の申入れを受けた場合は、誠実にこれに応じること。
2 被申立人会社は、被申立人会社の中野電車区、三鷹電車区、武蔵小金井電車区および豊田電車区における運転士に対する「交番勤務」、「予備勤務」および「日勤勤務」などの勤務指定について、それら電車区の申立人組合所属の運転士に対し、すみやかに組合所属の如何によらない公正な勤務指定を行わなければならない。
3 被申立人会社は、被申立人会社の三鷹電車区、武蔵小金井電車区および豊田電車区における「特修チーム」や、「第二機動班」などの検修職の本来業務ではない業務への勤務指定について、それら電車区の申立人組合所属の車両係、車両技術係等の検修職員に対し、すみやかに組合所属の如何によらない公正な勤務指定を行わなければならない。
4 被申立人会社は、申立人組合に所属する組合員に対する今後の配属ないし勤務指定に関し、他組合所属の組合員と差別取扱いをすることによって申立人組合の組織・運営に支配介入してはならない。
5 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記文書を55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に明瞭に墨書して、被申立人会社の本社正面玄関及び中野電車区、三鷹電車区、武蔵小金井電車区、豊田電車区、田町電車区、品川運転区、山手電車区および蒲田電車区の各事業所の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。
              記
                     年  月  日
 国鉄労働組合東京地方本部
  執行委員長 X1 殿
 国鉄労働組合東京地方本部八王子支部
  執行委員長 X2 殿
 国鉄労働組合東京地方本部八王子支部中野電車区分会
  執行委員長 X3 殿
 国鉄労働組合東京地方本部八王子支部三鷹電車区分会
  執行委員長 X4 殿
 国鉄労働組合東京地方本部八王子支部武蔵小金井電車区分会
  執行委員長 X5 殿
 国鉄労働組合東京地方本部八王子支部豊田電車区分会
  執行委員長 X6 殿
 国鉄労働組合東京地方本部新橋支部
  執行委員長 X7 殿
 国鉄労働組合東京地方本部新橋支部田町電車区分会
  執行委員長 X8 殿
 国鉄労働組合東京地方本部新橋支部品川電車区分会
  執行委員長 X9 殿
 国鉄労働組合東京地方本部新橋支部蒲田電車区分会
  執行委員長 X10 殿
             東日本旅客鉄道株式会社
              代表取締役 Y1
 設立委員および当社が、昭和62年4月1日付ないし同年4月2日以降、貴組合所属の組合員に対して行った都労委昭和62年不第34号~40号事件に係る配属発令(兼務発令・配転発令)および勤務指定は、いずれも不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後このような行為を繰り返さないよう留意します。
(注:年月日は、文書を掲示した日を記載すること。)
6 被申立人会社は前記第1項、第2項、第3項および第5項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければならない。 
判定の要旨  1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
本件国労組合員に対して、設立委員がなした、4月1日付け配属通知、会社が新会社発足以降順次行った配属及び勤務指定が不当労働行為であるとされた例。

3900 「不利益の範囲」
運転士、検修職または事務職の本来業務から外され、直営店舗の店員、車両清掃などの業務に従事させることが不利益な取扱いとされた例。

4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
本件配属(兼務発令・配転発令)の救済として、本件各発令をそれぞれ撤回し、配属職名欄記載の本来業務に復帰させたうえ、本命令交付後3カ月以内に改めて組合の所属如何によらない公正な方法で配属のやり直しを命じた例。

4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
本件勤務指定の救済として、命令交付後すみやかに、同人らに対して勤務指定の仕方を組合所属の如何によらない公正な方法に改めるべきであると命じた例。

4911 解散事業における使用者
設立委員が国鉄に包括的に代行させた3月10日付け人事異動に不当労働行為にあたる配属が存する場合には、設立委員が責任を負うべきであり、改革法23条により新会社がその責任を負うべきであるとされた例。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集84集576頁 
評釈等情報  労働法律旬報 岡田 和樹 1989年4月25日 1214号 26頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 平成 1年(不再)第7号 一部変更(初審命令を一部取消し)  平成10年 3月 4日 決定 
 
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