概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(運転手配属) |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和62年(不)第13号
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申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
申立人 |
国鉄労働組合 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部横浜支部 外1支部 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
昭和63年10月20日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、運転手組合員196名を異職種に配属したことが争われた事件で、上記組合員らの原職復帰、組合との具体的方法の協議、今後の配属差別の禁止及びこれらに関する文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人組合に所属する別表3記載の組合員に対する異職種への配属命令を動労など他組合との差別を解消する限度で取り消し、原職に復帰させなければならない。 2 被申立人は、上記第1項の申立人組合に所属する組合員の原職復帰の具体的方法について、申立人組合と協議し、調整しなければならない。 3 被申立人は、申立人国鉄労働組合東京地方本部横浜支部及び同国府津支部に所属する運転士組合員の配属に関し、他組合に所属する運転士組合と差別することにより、当該組合の運営に支配介入してはならない。 4 被申立人は、本命令後速やかに、次の誓約書を縦2メートル、横3メートルの白色木板に鮮明に墨書し、本社正面玄関及び弁天橋電車区、東神奈川電車区、大船電車区、国府津運転区、伊東運転区の各庁舎入口の見やすい場所に、き損することなく、10日間掲示しなければならない。 誓 約 書 貴国鉄労働組合東京地方本部横浜支部及び同国府津支部に所属する運転士組合員に対する異職種への配属命令が、他組合と比べ異常に高率であったことは、神奈川県地方労働委員会が今般認定いたしましたとおり、労働組合法第7条第1号及び第3号違反の不当労働行為でありました。よって、当社は、その責任を認め、深く反省するとともに、再びこのような行為を繰り返さないことをここに誓約いたします。 昭和 年 月 日 国鉄労働組合 執行委員長 X1 殿 国鉄労働組合東京地方本部 執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合東京地方本部横浜支部 執行委員長 X3 殿 国鉄労働組合東京地方本部国府津支部 執行委員長 X4 殿 東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
国鉄の行った62年3月10日付けの人事異動により本件国労所属組合員である運転士を異職種に配属したことが他組合と比べ異常に高率であったこと等から不当労働行為であるとされた例。
3900 「不利益の範囲」
本件運転士の異職種への配属が、経済的、精神的不利益であるとされた例。
4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
4417 条件付命令・協議命令
本件配属差別の救済として、組合間につき公平な取扱いと目される限度で救済することが妥当であり、その具体的方法は実情に詳しい労使の協議により調整することを命じた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄が新会社の運営のためにした62年3月10日付けの人事異動は、改革法23条により当該承継法人がした行為に該当し、その行為に不当労働行為が存在した場合会社が労組法上の使用者としての責任を負うとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集84集407頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1989年1月15日 528号 118頁 
労働法律旬報 1988年11月10日 1203号 55頁 
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