労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  東日本旅客鉄道(上野新幹線第二運転所) 
事件番号  東京地労委 昭和62年(不)第62号 
申立人  X1 他22名 
申立人  国鉄労働組合東京地方本部 
申立人  国鉄労働組合東京地方本部上野支部上野新幹線第二運転所分会 
申立人  国鉄労働組合東京地方本部上野支部 
被申立人  東日本旅客鉄道 株式会社 
命令年月日  平成 1年 4月18日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  会社が、組合員25名を新幹線運転業務から直営店や旅行センター等への兼務発令、配転発令、出向命令及び勤務指定を行ったことが争われた事件で、上記25名に対する兼務発令、配転発令、出向命令がなかったものとしての取扱い、23名の本務復帰、公正な勤務指定、兼務発令等の差別による支配介入の禁止、文書掲示及び履行報告を命じた。 
命令主文  1 被申立人東日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合東京地方本部上野支部上野新幹 線第二運転所分会に所属する別表記載の組合員に対し、次の措置を講じなければならない。
  (1)申立人X2(別表 22)については、別表「62年 5月20日付配転・兼務発令欄の兼務発   令がなかったものとして取扱い、今後とも、同人の「交番勤務」、「構内勤務」、「予   備勤務」および「日勤勤務」などの勤務指定に当たって、組合所属の如何によらない公   正な取扱いをすること。
    申立人組合所属の組合員X3(別表 25)については、別表「設立委員の62年 4月 1   日付配属通知による本務・兼務発令」欄の兼務発令および「63年 4月21日付配転発令」   欄の配転発令がなかったものとして取扱い、今後とも、同人の「交番勤務」、「構内勤   務」、「予備勤務」および「日勤勤務」などの勤務指定に当たって、組合所属の如何に   よらない公正な取扱いをすること。
 (2)申立人X4(別表 17)、同X5(同 18)、同X6(同 19)、同X7(同 20)の   4名については、別表「62年 5月20日付配転・兼務発令」欄の配転発令がなかったもの   として取扱い、同人らの「交番勤務」、「構内勤務」、「予備勤務」および「日勤勤    務」などの勤務指定に当たって、組合所属の如何によらない公正な取扱いをすること。
  (3)申立人X8(別表 3)については、別表「設立委員の62年 4月 1日付配属通知による   本務・兼務発令」欄の兼務発令、同「62年 5月20日付配転・兼務発令」欄の兼務発令お   よび同「63年 1月26日付業務変更の兼務発令」欄の兼務発令がいずれもなかったものと   して取扱い、別表「設立委員の62年 4月 1日付配属通知による本務・兼務発令」欄の    「本務」に復帰させ、かつ、同人の「交番勤務」、「構内勤務」、「予備勤務」および   「日勤勤務」などの勤務指定に当たって、組合所属の如何によらない公正な取扱いをす   ること。
 (4)(1)申立人X9(別表 9)他8名については、別表「62年 5月20日付配転・兼務発令」     欄の配転発令および同「62年 7月 1日付兼務発令」欄の兼務発令がいずれもなかっ     たものとして取扱い、別表「設立委員の62年 4月 1日付配属通知による本務・兼務     発令」欄の「本務」に復帰させること。
    (2)申立人X1(別表 1)他8名については、別表「63年 4月21日付配転発令」欄の配     転発令および同人らに宛てられた同発令に先立つ別表「設立委員の62年 4月 1日付     配属通知による本務・兼務発令」欄の兼務発令ないし別表「62年 5月20日付配転      発・兼務発令」、同「62年 6月26日付兼務発令、同年 7月 1日付兼務発令」、同      「62年 8月11日付在勤地変更の発令、63年 4月11日付在勤地変更の発令」各欄の各     発令がいずれもなかったものとして取扱い、別表「設立委員の62年 4月 1日付配属     通知による本務・兼務発令」欄の「本務」に復帰させること。
   (3)上記(1)(2)の「本務」復帰後、同人らの「交番勤務」、「構内勤務」、「予備勤務」     および「日勤勤務」などの勤務指定に当たって、組合所属の如何によらない公正な     取扱いをすること。
  (5)申立人X10(別表5)については、別表「62年 7月10日付出向発令」欄の出向発令およ   びこれに先立つ別表「設立委員の62年 4月 1日付配属通知による本務・兼務発令」欄の   兼務発令、同「62年 5月20日付配転・兼務発令」欄の配転・兼務発令がいずれもなかっ   たものとして取扱い、別表「設立委員の62年 4月 1日付配属通知による本務・兼務発    令」欄の「本務」に復帰させ、かつ、同人の「交番勤務」、「構内勤務」、「予備勤    務」および「日勤勤務」などの勤務指定に当たって、組合所属の如何によらない公正な   取扱いをすること。
2 被申立人会社は、申立人組合に所属する組合員に対する今後の兼務発令、配転発令および 出向発令並びに勤務指定に関し、他組合所属の組合員と差別取扱いをすることによって申立 人組合の組織・運営に支配介入してはならない。
3 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記文書を55cm×80cm(新聞紙2 頁大)の白紙に明瞭に墨書して、被申立人会社の本社正面玄関および上野新幹線第二運転所 の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。
                     記
                                   年 月 日
   国鉄労働組合東京地方本部
    執行委員長 X11  殿
   国鉄労働組合東京地方本部上野支部
    執行委員長 X12  殿
   国鉄労働組合東京地方本部上野支部上野新幹線
    第二運転所分会
     執行委員長 X1   殿
                          東日本旅客鉄道株式会社
                           代表取締役  Y1
  設立委員および当社が、昭和62年 4月 1日付ないしそれ以降63年 4月21日までの間、貴組 合所属の組合員に対して行った都労委昭和62年不第62号事件に係る発令(兼務発令・配転発 令・出向発令)および勤務指定は、いずれも不当労働行為であると東京地方労働委員会にお いて認定されました。今後このような行為を繰り返さないよう留意します。
4 被申立人会社は、前第1項および第3項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で 報告しなければならない。 
判定の要旨  1302 就業上の差別
国労組合員の新幹線運転士に対してなした各兼務発令が不当労働行為であるとされた例。

1300 転勤・配転
1301 出向
国労組合員の新幹線運転士に対してなした配転発令、在勤地変更発令及び出向命令が不当労働行為とされた例。

1302 就業上の差別
国労組合員の新幹線運転士に対してなした勤務指定が不当労働行為とされた例。

3900 「不利益の範囲」
本件各発令、勤務指定により、申立人らは、経済的、精神的及び組合活動上の不利益を被っているとされた例。

4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
本件各発令、勤務指定の救済方法として、62年3月分勤務指定以前の状態に回復させることを基本として定めるのが妥当であるとし、5タイプに分けて救済を与えた例。

4820 単一組織の支部・分会等
本件申立人である地本、支部及び分会は、それぞれ独自の規約、会計及び執行期間を有し、各組織単位に応じて独立した固有の組合活動を行なっているので申立人適格を有するとされた例。

4911 解散事業における使用者
国鉄が62年3月10日付でなした兼務発令などの人事異動は、設立委員に代わって準備したもので、この発令の責任は設立委員が負うべきであり、新会社に帰属するとされた例。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集86集69頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 平成 1年(不再)第65号 一部変更(初審命令を一部取消し)  平成 9年 4月16日 決定 
 
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