概要情報
事件名 |
八雲会 |
事件番号 |
中労委 昭和61年(不再)第46号
|
再審査申立人 |
社会福祉法人 八雲会 |
再審査被申立人 |
厚生園労働組合 |
命令年月日 |
平成 1年 5月24日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
|
事件概要 |
八雲会及び厚生園が、(1)給与規定改正等に係る団交申入れを上部団体の参加等を理由に拒否したこと、(2)脱退勧奨や組合員の範囲の縮小を強要したことが争われた事件で、(1)組合活動の抑制妨害、組合員の範囲の縮小の強要、上部団体の参加を理由とする団交拒否による支配介入の禁止(2)これらに関する文書手交を命じ、団交応諾、文書掲示及び新聞掲載については棄却した初審命令について、既に団交が行われていることから団交拒否による支配介入については救済する必要がないこと及び使用者に当たる名宛人は八雲会のみであるとして、一部変更した外は再審査申立ては棄却した。 |
命令主文 |
Ⅰ 初審命令主文第1項及び第2項を次のとおり変更する。 1 社会福祉法人八雲会は、厚生園労働組合の組合員に対し、組合からの脱退を勧めたり、同 執行委員らに対し、組合活動を抑制する趣旨の発言をしたり、又は生活指導員及び事務員を 組合員の範囲から除外することを要求し、それを強要する趣旨の発言をするなどして、厚生 園労働組合の運営に支配介入してはならない。 2 社会福祉法人八雲会は、下記内容の文書を、本命令書交付の日から7日以内に、厚生園労 働組合に交付しなければならない。 記 厚生園労働組合 執行委員長 X1 殿 社会福祉法人八雲会 理事長 Y1 当八雲会が、貴組合の組合員に対し、組合からの脱退を勧めたり、同執行委員らに対し、 組合活動を抑制する趣旨の発言をしたり、又は生活指導員及び事務員を組合員の範囲から除 外することを要求し、それを強要する趣旨の発言をしたことは、中央労働委員会において不 当労働行為であると認定されました。 よって、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 Ⅱ その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会の事務長が組合員X2の車に同乗した中での発言が組合からの脱退を勧誘したものとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会の理事が組合の執行委員らに対してなした発言が組合活動を抑制するものであるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会の理事が執行委員X3宅を訪問した際、同人の妻らに対してなした発言が組合脱退を勧誘したものとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2625 非組合員化の言動
会が経営する厚生園の園長が、組合役員に対して、生活指導員及び事務員を組合員の範囲から除いて欲しい旨述べ、拒否されるや組合に加入しないという条件付きで外部から募集する等発言したことが支配介入であるとされた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
地区労役員が参加する団交拒否については、現在、地区労役員が参加して団交が行われており、今後同一理由で団交が拒否される恐れがあるとの疎明もなく支配介入として救済する必要性はないとされた例。
4905 経営補助者
初審命令の各宛人厚生園は、八雲会の一施設にすぎないので、八雲会のみを当事者として表示し名宛人とした例。
|
業種・規模 |
社会保険、社会福祉 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集86集1064頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1989年 7月10日 796号 
|