概要情報
事件名 |
神奈川中央交通 |
事件番号 |
中労委 昭和59年(不再)第53号
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再審査申立人 |
神奈川中央交通 株式会社 |
再審査被申立人 |
X5 外5名 |
命令年月日 |
昭和62年12月 2日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
営業所長らが、組合の役員選挙に際して、現執行部派の候補者に投票するよう依頼し、批判派の候補者を誹謗・中傷したことが争われた事件で、支配介入の禁止及び文書掲示を命じた初審命令について、初審命令主文の文言の一部及び文書掲示の掲示場所を当該営業所のみとすることに変更したほかは、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 I 本件初審命令主文第1項及び第2項を次のとおり変更する。 1 再審査申立人は、再審査被申立人らの所属する神奈川中央交通労働組合の役員選挙に際して、特定の候補者を支援するための会合に出席し特定の候補者への投票を組合員に依頼したり同候補者以外の候補者を誹謗・中傷するなどの営業所長、班長及び副班長の行為を通じて、同組合の運営に支配介入してはならない。 2 再審査申立人は、本命令の交付を受けた後、速やかに下記の文書を縦1メートル、横2メートルの白色木板に楷書で墨書し、これを再審査申立人の町田営業所の正面入口の従業員の見易い場所に2週間掲示しなければならない。 記 昭和 年 月 日 X1 殿 X2 殿 X3 殿 X4 殿 X5 殿 X6 殿 神奈川中央交通株式会社 代表取締役 Y1 昭和58年10月の神奈川中央交通労働組合の定期組合役員選挙に際して、当社町田営業所において当時のY2所長が、班長及び副班長の開催した特定の候補者を支援するための会合に出席し、貴殿らの所属する組合の組合員に対し、特定の候補者に投票するように依頼したり、当該特定候補者に批判的な候補者を誹謗・中傷したことは、中央労働委員会により労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。今後このような行為を繰り返さないようにします。 II その余の再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
会社所長が組合役員選挙前に開催された懇談会等の席上、現執行部派を支持する旨述べ、特定の立候補予定者への投票を依頼したり、批判派を誹謗・中傷したこと等が支配介入であるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2624 組合人事への干渉
班長、副班長が組合役員選挙に介入する発言を行ったことが、所長の言動と相呼応し、その意を体してなした支配介入であるとされた例。
3410 職制上の地位にある者の言動
班長、副班長が組合役員選挙に介入する発言を行ったことが、所長の意を体してなした支配介入であるとされた例。
5008 その他
ポスト・ノーティスは報復的色彩が濃いものとはいえず、これを命ずることは不当労働行為救済方法の一つであり、労委の裁量の範囲を超えるものではないとされた例。
4611 P.Nの掲示の場所を配慮した例
本件支配介入行為に関する救済方法としてのポスト・ノーティスは、町田営業所における掲示のみを命ずるのが相当であるとし、掲示場所を変更した例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集82集627頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1988年2月10日 773号 14頁 
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