概要情報
事件名 |
笠戸船渠 |
事件番号 |
中労委 昭和61年(不再)第26号
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再審査申立人 |
全日本造船機械労働組合笠戸船渠分会 |
再審査申立人 |
全日本造船機械労働組合 |
再審査被申立人 |
笠戸船渠 株式会社 |
命令年月日 |
昭和62年12月16日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
従前の労働組合が全造船脱退を契機に分裂し、その直後、脱退に反対の全造船分会員に対し、班長ら下級職制が脱退を慫慂したこと、また、会社が分会員らに対し、残業、年休振替え、ソフトボール大会への参加及び勤務成績の査定において差別的に取り扱ったことが争われた事件で、いずれの事項も不当労働行為に該当しないとし、救済申立てを棄却した初審命令について、班長らの分会員に対する脱退慫慂を不当労働行為とし、初審命令主文を変更して、文書掲示を命じ、組合のその余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 I 本件初審命令主文を次のとおり変更する。 1 笠戸船渠株式会社は、本命令書受領後速やかに、縦1メートル横2メートルの白色木板に下記のとおり墨書し、笠戸造船所の正門付近の従業員の見易い場所に7日間これを掲示しなければならない。 記 昭和 年 月 日 全日本造船機械労働組合 中央執行委員長 X1 殿 全日本造船機械労働組合笠戸船渠分会 執行委員長 X2 殿 笠戸船渠株式会社 代表取締役社長 Y1 昭和58年4月末から同年6月上旬にかけて当社笠戸造船所の係長、作業長、班長らが貴組合笠戸船渠分会員に対し貴組合笠戸船渠分会からの脱退と笠戸船渠労働組合への加入を慫慂した行為について、当社がこれを黙認、放置し、便宜を与えたことは、労働組合法第7条に該当する不当労働行為であると中央労働委員会によって認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。 (注、年月日は、掲示した日を記載すること。) 2 その余の救済申立てを棄却する。 II その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
会社が、58年昇給に関し実施した勤務成績の査定において分会員を他の従業員と比較して低く評価して低ランクに査定したと認めるに足る疎明はないとされた例。
1302 就業上の差別
会社が、分会員2名に対して約2カ月間残業を行わせなかったことは、両名の属する部門では殆ど残業はなかったこと、仕事の繁閑により2カ月程度残業のなかったことが認められ、不利益取扱いとはいえないとされた例。
1600 休暇の取扱い
会社が、分会員X3の欠勤を年休に振り替えることについて欠勤の連絡を確認するまで認めなかったことが不利益取扱いとはいえないとされた例。
1600 休暇の取扱い
会社が、分会員X3の欠勤を無断欠勤であるとして振り替えを認めなかったことが不利益取扱いとはいえないとされた例。
1601 福利厚生上の差別
会社が、分会員X3らが分会員であることの故をもってソフトボール大会への参加について不利益に取り扱ったと認めるに足る疎明はないとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社が、係長、作業長、班長らが会社の意を体して分会員に対して行った分会からの脱退慫慂行為を黙認、放置し、かつ、これに便宜を与えたことが支配介入であり、これに反する初審判断は失当であるとされた例。
3410 職制上の地位にある者の言動
会社が、係長ら下級職制の分会からの脱退慫慂行為を黙認、放置したことが支配介入行為であるとされた例。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集82集631頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1988年2月10日 773号 13頁 
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