労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  滋賀交通 
事件番号  中労委 昭和60年(不再)第2号 
再審査申立人  滋賀交通 株式会社 
再審査被申立人  全日本運輸一般労働組合近畿地区バス産業支部 
命令年月日  昭和62年 8月 5日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)京都府下において年功順に新しい車両に担当替えを行うとの慣行に反して、組合員4名の担当替えを行わなかったこと、(2)滋賀県下の組合員のいる営業所に新型貸切観光バスを配置しなかったことが争われた事件で、車両担当替え及び新型観光バスの配置に関する不利益取扱いの禁止、新しい車両への担当替えの実施及び文書掲示を命じた初審命令のうち、(1)については、初審命令交付後に是正されたことから、この点に関する初審命令の一部を変更したほかは、会社のその余の再審査申立てを棄却した。 
命令主文  主     文
I 本件初審命令主文第2項を削り、同第1項及び第3項を次のとおり変更する。
1 滋賀交通株式会社は、今後、京都府下営業所における車両の担当替について、全日本運輸一般労働組合近畿地区バス産業支部組合員を差別してはならず、また、滋賀県下の同組合員の所属する営業所に新型貸切観光バスを配置しないことにより、同組合員を不利益に扱ってはならない。
3 滋賀交通株式会社は、本命令受領後10日以内に55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に下記文書を明瞭に記載し、各営業所の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
              記
                 昭和  年  月  日
 全日本運輸一般労働組合
 近畿地区バス産業支部
  執行委員長 X1 殿
               滋賀交通株式会社
               代表取締役 Y1
 当社が、昭和56年12月以降の車両担当替について、貴組合京都分会員を差別したこと、および昭和56年11月20日以降、貴組合水口分会員の所属する営業所に新型貸切観光バスを配置しなかったことは、貴組合員を不利益に扱うとともに、貴組合の弱体化をはかった不当労働行為であると、中央労働委員会によって認定されました。
 よって、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
II その余の本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  1300 転勤・配転
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社は、数次の配転によって京都営業所の運転手を全て分会員としたうえで、担当車の担当替えから除外したことが不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。

1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が滋賀県下の分会員の所属する営業所に新車を配置しないことが不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。

3900 「不利益の範囲」
運転手にとってより年式の新しい車両を担当することは、労働条件等について有利であり、新車両を担当できないことにより不利益を被るとされた例。

4820 単一組織の支部・分会等
本件申立人組合は、生コン支部に所属し、バス共闘会議を構成していた5分会で結成し、生コン支部から分離独立したもので、組合は生コン支部所属時と組織的には同一性を有し申立人適格を有するとされた例。

5008 その他
新車購入、配置等は最終的には会社の決定する事項であるが、担当車両の割当てについて救済申立てがあるときは、それが不当労働行為に当たるか否かも審査することは労委の権限に属するとされた例。

業種・規模  道路旅客運送業(バス専業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集82集551頁 
評釈等情報  中央労働時報 1987年10月10日  768号 18頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
滋賀地労委 昭和57年(不)第3号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和59年12月22日 決定 
 
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