概要情報
事件名 |
紫雲電機 |
事件番号 |
新潟地労委 昭和60年(不)第14号
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申立人 |
総評・全国一般労働組合新潟地方本部 |
被申立人 |
紫雲電機 株式会社 |
命令年月日 |
昭和61年 4月30日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、役員、管理職らをして、また、一般の従業員をして組合員に対し、脱退勧奨等の反組合的言動を行ったことが争われた事件で、役員、管理職らをして脱退勧奨等を行わせる等の支配介入をしてはならないこと、これに関する陳謝文の掲示を命じ、一般従業員による脱退勧奨等については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、会社の役員、管理職らをして、申立人の組合員に対し組合を非難・中傷する 言動をさせたり、組合紫雲電機支部の解散や組合からの脱退を要求ないし勧奨させたりなど して申立人の組合運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、申立人に対し、この命令書交付の日から1週間以内に縦55cm×横80cmの白色 木板に下記のとおり明瞭に墨書して、これを10日間、会社本社正門及び関川工場正門近くの 見やすい場所に掲示しなければならない。 記 当社が貴組合に対して行った次の行為は、新潟県地方労働委員会によって不当労働行為で あると認定されました。 1会社が組合員に対し、朝礼その他集会の場合で組合を非難・中傷する言動をしたこと。 2会社が組合役員や組合員に対し、「組合ができたから仕事がこなくなった」「組合をなく せ」「組合をやめろ」という趣旨の発言をして、組合支部の解散や組合からの脱退を働き かけたこと。 当社は、貴組合に深く陳謝するとともに、今後かかる行為を繰り返さないことを誓約いた します。 昭和 年 月 日 総評・全国一般労働組合新潟地方本部 執行委員長 X1 殿 同紫雲電機支部 支 部 長 殿 紫雲電機株式会社 代表取締役 Y1 3 被申立人は、前項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならな い。 4 申立人のその余の申立人は、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社役員、管理職らをして組合支部長X2に対し、同支部の解散や上部組合からの脱退を働きかけたことが支配介入とされた。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
会社役員、管理職らが一般組合員に対し、組合を中傷・非難したり、支部の解散や上部組合からの脱退を働きかけたことが支配介入とされた例。
2611 その他の従業員の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3411 その他の従業員の言動
会社が、ラインリーダーその他一般の従業員をして組合員に対し組合からの脱退を勧奨させた旨の組合主張につき、ラインリーダーその他一般従業員が会社の明示もしくは暗黙の指示に基づいてこのような行為をしたことを認めるに足る疎明はないとされた。
4601 「抽象的不作為命令」を命じた例
団交を経ないでなされる会社の人事その他の労働条件の変更に関する行為の全てを将来にわたって抽象的に禁止するということは、本事案において適当でないとされた例。
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集79集512頁 |
評釈等情報 |
 
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