概要情報
事件名 |
丸住製紙 |
事件番号 |
愛媛地労委 昭和59年(不)第4号
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申立人 |
全国紙パルプ産業労働組合連合会丸住製紙労働組合 |
被申立人 |
丸住製紙 株式会社 |
命令年月日 |
昭和61年 4月25日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、交渉担当者、開催時期及び回答時期について、少数組合である申立人組合を多数派組合と差別的取扱いをしたことが争われた事件で、差別的取扱いの禁止及び誠意団交の実施、文書の掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人との団体交渉に関して、交渉担当者、開催時期及び回答時期につい て、申立外丸住製紙新労働組合との間に差別的取扱いをしてはならず、誠意をもって団体交 渉に応じなければならない。 2 被申立人は、本命令交付の日から7日以内に、下記のとおり、縦1m×横70cmの大きさの 白紙に楷書で明瞭に墨書し、被申立人の本社工場、新工場、大江工場及び金生工場の掲示板 (ただし、大江工場においては、タイムカード打刻場所付近の壁)に掲示し、これらを7日 間存置しなければならない。 記 丸住製紙株式会社は、紙パ労連丸住製紙労働組合との団体交渉に関して誠意を欠き、丸住 製紙新労働組合と差別的取扱いをしたことがあったことを深く反省します。 これからの団体交渉申し入れには、常に誠意をもって応じ、また、団体交渉には労務担当 役員も出席します。 昭和 年 月 日 全国紙パルプ産業労働組合連合会丸住製紙労働組合 組合長 X1 殿 丸住製紙株式会社 取締役社長 Y1 3 申立人のその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
2246 併存団体との関係
賃上げ交渉において、団交の開催時期、回答時期あるいは交渉担当者について多数組合を優先的に取り扱ったことが不当労働行為とされた例。
2901 組合無視
労組担当役員の団交出席につき、組合と多数組合との間に差をつけたことが差別的取扱いであるとされた。
2901 組合無視
別組合からの団交申し入れには応じ、具体的回答をしながら組合に対しては団交指定日を変更又は延期するなどして団交を延引させたことが差別的取扱いとされた例。
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
組合との団交期日(5月12日)の決定が別組合の妥結(4月14日)に比して遅きに失する差別的取扱いとされた例。
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
多数組合である別組合との団交を組合との団交に常に先行させたことが、別組合の「優先」と組合の「後順位」を意図的に示めそうとした差別的取扱いとされた例。
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
昭和58年夏季一時金交渉において、組合に対し、別組合と同額の回答ができたにもかかわらず、あえて定額の回答を行うなどして解決を延引したことが差別的取扱いとされた。
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
通勤手当改訂についての組合の団交申し入れを拒否しながら、別組合と労使協議を続けて、同手当を改訂することとした後、組合に対して同手当改訂についての回答を行ったことが、差別的取扱いとされた。
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業種・規模 |
パルプ・紙・紙加工品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集79集490頁 |
評釈等情報 |
 
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