概要情報
事件名 |
谷ハブ工業 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和58年(不)第2号
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申立人 |
全大阪金属産業労働組合 |
被申立人 |
谷ハブ工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和58年 8月 9日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が57年年末一時金に関する団交において不誠実な態度をとったこと、従来、一時金が未妥結でも行われていた同一時金の仮払いを一方的に供託して仮払いしなかったことが争われた事件で、分会員に対し、57年年末一時金を別組合と妥結したのと同じ内容ですみやかに支給すること及びポスト・ノーティスを命じ、誠実に団交に応じることを求める点については申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合谷ハブ工業分会員に対し、57年年末一時金を、総評大阪一般合同労働組合谷ハブ工業支部と妥結したものと同じ内容で、すみやかに支給しなければならない。 2 被申立人は、1メートル×2メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、すみやかに会社正門付近の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 全大阪金属産業労働組合 執行委員長 X1 殿 同 谷ハブ工業分会 分 会 長 X2 殿 谷ハブ工業株式会社 代表取締役社長 Y1 当社は、貴組合谷ハブ工業分会員の57年年末一時金に関する団体交渉において、当初、貴組合からの資料要求を拒否して誠実に団体交渉を行わず、また、これまでの慣行に反して同一時金の仮払いを行いませんでしたが、これらの行為は大阪府地方労働委員会において労働組合法第7条第1号及び第2号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 3 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
従来、一時金交渉の妥結がなくても慣行的に別組合との妥結内容での金員の仮払いが行われていたにもかかわらず、57年年末一時金については一方的に供託して分会員に仮払いしなかったことが不当労働行為であるとされた例。
2240 説明・説得の程度
年末一時金交渉において、会社が組合からの経営状態を示す具体的資料の掲示要求に応じなかったことは誠実さを欠くものと判断するほかなく、不当労働行為であるとされた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
年末一時金について会社が誠実に団交に応じることを求める救済申立てにつき、救済申立後の団交において、組合は会社の説明を一応了承し、一時金の額についても事実上合意が成立していると認められることから、団交の応諾を命ずる必要はないとされた例。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集74集150頁 |
評釈等情報 |
 
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