労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪暁明館 
事件番号  大阪地労委 昭和54年(不)第66号 
大阪地労委 昭和54年(不)第76号 
大阪地労委 昭和56年(不)第1号 
申立人  大阪暁明館職員組合 
被申立人  社会福祉法人 大阪暁明館 
命令年月日  昭和57年 9月 2日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  (1)一時金、36協定の締結等に関する諸要求についての団交拒否、(2)組合と協議しないままの年末一時金の一方的支給、(3)組合費のチェック・オフについて組合の申し入れた控除比率1%への引上げの不実施、(4)組合を非難する文書の掲示、(5)職制による組合の懸垂幕の持ち去り、及び(6)新入職員のチェック・オフ対象からの除外が争われた事件で、団交の応諾及び(1)~(5)にかかるポスト・ノーティスを命じ、新入職員のチェック・オフに関する申立てについては棄却した。 
命令主文  主     文
1 被申立人は、昭和54年6月4日、同年7月27日、同年8月13日、同年8月24日、同年9月5日及び同年10月13日に申立人の要求した事項(既に解決した事項は除く)及び昭和55年年末一時金について、申立人と誠意をもって団体交渉を行わなければならない。
2 被申立人は、被申立人病院の職員食堂の従業員の見やすい場所に、2メートル×1メートル大の白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、速やかに10日間掲示しなければならない。
           記
                    年 月 日
大阪暁明館職員組合
組合長  X1 殿
             社会福祉法人 大阪暁明館
              理事長 Y1
 当病院が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
                記
(1)昭和54年6月4日、同年7月27日、同年8月13日、同年8月24日、同年9月5日、同年10月13日に貴組合の要求した事項及び昭和55年年末一時金について、誠意をもって団体交渉に応じなかったこと。
(2)昭和54年10月26日から同年11月14日まで、正当な理由なく団体交渉を拒否したこと。
(3)昭和54年7月16日のチェック・オフに関する貴組合の申入れに応じなかったこと。
(4)昭和54年9月22日、事実を歪曲する内容の文書を職員食堂に掲示し、貴組合を非難したこと。
(5)昭和54年9月15日、貴組合の懸垂幕を持ち去ったこと。
(6)昭和55年年末一時金を貴組合と妥結しないまま貴組合の一部の者に一方的に支給したこと。
3 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  2230 不穏当な態度
2244 特定条件の固執
団交ルールの確立等労使正常化提案及び昼の休憩時間の短縮等再建3提案についての先議に固執したり、組合の抗議行動に監禁、脅迫等の違法行為があったとして、一時金等の組合要求に関する団交に応じなかったことが不当労働行為である。

2620 反組合的言動
職員食堂に「お知らせ」と題する組合非難の文書を掲示したことについて、組合にも責められるべき点があるものの、事実に反することで組合を非難攻撃したものであり、組合の弱体化を意図した不当労働行為である。

2800 各種便宜供与の廃止・拒否
チェック・オフに関し、組合が申し入れた控除比率の引上げ等について、それに伴う端数処理方法が不明であるとして実施せず、従前どおりの控除比率によりチェック・オフを行ったが、会社は、端数処理については組合が異議を唱えた事実も認められないことから、従来どおりの方法で処理すれば足りるものであって、組合の弱体化を企図した不当労働行為である。

2800 各種便宜供与の廃止・拒否
組合と病院間にはユニオン・ショップ協定が存し、従って新入職員について組合員名簿を提出しなくてもチェック・オフできるのに、それをしないのは不当労働行為であるとの申立てにつき、ユ・シ協定を締結することについての合意は存するものの、ユ・シ協定そのものは存在していないので、組合が名簿を提出しない以上、チェック・オフしなくとも不当労働行為とはならない。

2901 組合無視
組合と協議しないまま従業員に対し一方的に年末一時金を支給したことが、組合の存在を無視し、一時金の受領者と未受領者を離反させ、その組織の弱体化を図ったものといわざるをえない。

3020 組合活動への制約
施設管理権をたてに、Y2係長が、地下2階の組合事務所の通路に、文字を乾かすために干してあった組合の懸垂幕を持ち去ったが、懸垂幕によって、病院の施設管理上支障を生ぜしめたとの事実は認められないことから、組合の宣伝活動を妨害する不当労働行為とされた。

業種・規模  医療業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集72集226頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 昭和57年(不再)第55号 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和61年 2月19日 決定 
 
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