概要情報
事件名 |
ワシントン靴店 |
事件番号 |
中労委 昭和53年(不再)第20号
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再審査申立人 |
株式会社 ワシントン靴店 |
再審査被申立人 |
総評全国一般ワシントン靴店労働組合 |
命令年月日 |
昭和57年 4月21日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
「テコ入れ」と称する業績向上運動のミーティングにおいて管理職が組合を誹謗・中傷する言動をしたこと、組合のワッペン着用闘争に対し直接個々の組合員を事務室に呼び出しワッペンの取りはずしを強要したこと、組合員X1の所持していた不当労働行為摘発カードを管理職が取り上げたことなどが争われた事件で、「テコ入れ」ミーティングにおいて組合及び組合員に対して誹謗、中傷、威嚇などし、また組合のワッペン着用闘争に対し個々の組合員に直接圧力をかけ、さらに組合員の所持する不当労働行為摘発カードを取りあげるなどによる組合運営への支配介入の禁止及びポスト・ノーティスを命じた初審命令について、使用者から再審査の申立てがなされ、中労委は初審命令を支持し、再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2700 威嚇・暴力行為
「テコ入れ」と称する業績向上運動のミーティングにおける管理職の従業員に対する言動が、単に従業員の発奮を促したり、組合員の反発に対しその発言を制止したり、注意ないし説得したに止まらず、組合の残業拒否闘争を知りながら早出残業を拒否してミーティングに不参加の個々の組合員に対して誹謗、中傷、威嚇などしていることから、これを不当労働行為とした初審判断が相当とされた例。
2700 威嚇・暴力行為
会社の「テコ入れ」ミーティング等に対する抗議のため行われた組合のワッペン着用闘争に対し、会社が多数の管理職を動員してワッペン着用の組合員を個々に事務室に呼び暴言をあびせたり、つるしあげを行ったりしてワッペンの取りはずしを強要したことは、個々の組合員に直接圧力をかけることにより心理的動揺を与えようとしたもので、これをワッペン着用闘争の排除に藉口して組合活動の制限を意図した支配介入行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。
3106 その他の行為
組合員X1が所持していた組合作成の不当労働行為摘発カードを室長が取り上げたことにつき、X1に対する身だしなみの注意、指導に止まらず、身だしなみのチェックに藉口して組合活動を制限しようと意図したものであり、これを支配介入であるとした初審判断は相当であるとされた例。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集71集621頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1982年10月1日 390号 75頁 
中央労働時報 1982年8月10日 686号 18頁 
労働経済判例速報 昭和57年11月30日 1135号(33巻32号) 24頁 
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