労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  ワシントン靴店 
事件番号  東京地労委 昭和51年(不)第42号 
申立人  総評全国一般ワシントン靴店労働組合 
被申立人  株式会社 ワシントン靴店 
命令年月日  昭和53年 4月18日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  業績向上の「テコ入れ」ミーティング等において管理職らが組合員を誹謗、中傷、威嚇し、これらの抗議等のために行われた組合のワッペン着用闘争に対してその取りはずしを強要し、組合員の所持する不当労働行為摘発カードを没収し、組合掲示物の内容の表現が悪いとして撤去させた事件で、支配介入の禁止、ポスト・ノーティスを命じ、掲示物の撤去については申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人株式会社ワシントン靴店は、管理職多数を動員したいわゆる「テコ入れ」ミーティングにおいて、申立人総評全国一般ワシントン靴店労働組合および組合員に対して誹謗、中傷、威嚇などし、また組合のワッペン着用闘争に対し個々の組合員に直接圧力をかけ、さらに組合員の所持する不当労働行為摘発カードを取りあげるなどして申立人組合の運営に支配介入してはならない。
2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社の銀座店、西銀座店、新宿店、新宿駅ビル店、渋谷店の店舗内の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。
               記
                    昭和 年 月 日
  総評全国一般ワシントン靴店労働組合
    中央執行委員長 X1 殿
              株式会社 ワシントン靴店
               代表取締役 Y1
 当社は、管理職多数を動員したいわゆる「テコ入れ」ミーティングにおいて、貴組合および組合員を誹謗、中傷、威嚇し、また組合のワッペン着用に対し個々の組合員に直接圧力をかけ、さらに組合員の所持する摘発カードを取りあげるなどして貴組合に支配介入したことは、不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後このようなことは繰り返さないよう留意します。
(注.年.月.日は掲示の日を記載すること)
3 被申立人会社は、前項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければならない。
4 その余の申立を棄却する。 
判定の要旨  2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
各店における営業部長・課長ら管理職による「テコ入れ」ミーティング等での発言は、正常な言論の自由の域に止まるものでなく組合の闘争に対応して組合員を誹謗、中傷、威嚇することによってなされた組合に対する支配介入である。

3106 その他の行為
3700 使用者の認識・嫌悪
本件ワッペンの形状等に問題がないではないが、春闘回答要求、「テコ入れ」ミーティング等の抗議のためのワッペン着用闘争に対して、管理職多数を動員して個々の組合員を個別に呼びだしたり、直接圧力をかける等によってワッペンの取りはずしを強要したことは、組合のワッペン闘争の正当性を論ずるまでもなく組合に対する支配介入である。

3020 組合活動への制約
組合掲示物の内容の表現が悪いとして撤去されたことが支配介入でないとされた例。

3102 争議対抗手段
組合が闘争戦術として作成し、組合員が所持していた不当労働行為摘発カードを取りあげたことが支配介入とされた例。

業種・規模  卸売業、小売業、飲食店 
掲載文献  不当労働行為事件命令集63集312頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 昭和53年(不再)第20号 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和57年 4月21日 決定 
 
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