概要情報
事件名 |
小曽根学院 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和53年(不)第93号
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申立人 |
大阪私学教職員組合 |
申立人 |
X1 |
被申立人 |
学校法人 小曽根学院 |
命令年月日 |
昭和57年 3月 3日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
学院が勤務時間中に映画のチラシ配布を手伝った分会書記長X1に対し、二度にわたって譴責処分を行い、昭和52年度の主任を免ずるとともに昭和53年度以降主任に任命しなかったこと、同処分等に係る団交を拒否したこと及び昭和53年度給与に関する団交において不誠実な態度をとったことが争われた事件で、X1に対する譴責処分がなかったものとして取り扱うこと及びX1が53年度まで主任であったものとして取り扱うとともに主任手当相当額(年5分加算)を支払うこと、53年度給与について誠意ある団交を行うこと並びにこれらの諸行為に関する文書手交を命じ、昭和54年度以降も主任であったものとしての取扱い及びポスト・ノーティスについては申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人X1に対して、昭和52年11月24日及び12月9日付け譴責処分並びに昭和53年1月30日付けフリー主任を免ずる処分がなかったものとして取り扱うとともに、昭和53年度に主任であったものとして取り扱い、かつ、昭和53年1月31日以降同人が受けるはずであった主任手当相当額(これに対する年5分の割合による金員を含む)を支払わなければならない。 2 被申立人は、昭和53年度給与に関する要求事項について、申立人大阪私学教職員組合と誠意をもって団体交渉を行わなければならない。 3 被申立人は、申立人大阪私学教職員組合に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 大阪私学教職員組合 幹事会議長 X2 あて 学校法人 小曽根学院 理事長 Y1 当学院が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において労働組合法第7条に違反する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1) 貴組合員X1氏を、昭和52年11月24日及び12月9日付け譴責処分並びに昭和53年1月30日付けフリー主任を免ずる処分に付し、かつ昭和53年度において主任に任命しなかったこと及びこれら処分に関する団体交渉を拒否したこと (2) 昭和53年度給与体系に関する団体交渉において不誠実な態度に終始したこと 4 申立人らのその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
勤務時間内に行った映画のチラシ配布行為(5分間程度)を理由に分会書記長X1を譴責処分に付したことが、分会の弱体化を企図した不当労働行為であるとされた例。
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
勤務時間内に行ったチラシ配布行為を理由とする譴責処分に対して、始末書を提出しないことから二次の譴責処分に付し、さらに主任を免じた行為は、いずれも不当労働行為であるとされた例。
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
分会書記長X1に対して行った始末書不提出を理由とする昭和52年度の主任を免ずる処分が不当労働行為である以上、これと同様の理由によるものと認められる53年度の同人を主任に任命しなかった行為もまた不当労働行為であるとされた例。
2240 説明・説得の程度
2300 賃金・労働時間
2301 人事事項
昭和53年度給与及び分会書記長Hに対する譴責処分に係る団交において、理事長欠席のもとでは責任ある回答はできないとしたり、学院側の回答が変わらないことやHには処分に至った経過を度々説明していることを理由にこれらの団交に応じなかったりしたことが不当労働行為であるとされた例。
4415 賃金是正を命じた例
分会書記長X1に対する昭和53年度まで主任に任命しなかった行為が不当労働行為であるとしても、54年度から学院が主任の任命方法を変更していることからみて、54年度以降も継続的に主任であったものとしての取り扱いを命ずることはできないとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集71集200頁 |
評釈等情報 |
 
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