労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  黒川乳業 
事件番号  大阪地労委 昭和54年(不)第72号 
大阪地労委 昭和54年(不)第75号 
申立人  関西単一労働組合 
被申立人  黒川乳業 株式会社 
命令年月日  昭和56年 4月30日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社役員らによる組合事務所からの会社批判ビラの持去り、顧問夫人による組合員の実家への手紙の送付、ビラの件に関する会社顧問の分会長に対する言動、別組合役員による暴行、同暴行による欠勤についての会社部長の言動等が争われた事件で、組合事務所からのビラの持去り、顧問夫人による組合員の実家への手紙の送付に関する文書手交を命じ、ビラに関する顧問の言動別組合役員による暴行、欠勤の取扱いに関する部長の言動については申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
                     記
                                  年  月  日
   申立人代表者あて
                            被申立人代表者名
  当社は、下記の行為を行いましたが、これらの行為は労働組合法第7条第3号に該当する 不当労働行為であることを認め、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。
                     記
  (1)昭和54年10月20日、貴組合事務所に20名余りが赴き、Y1がビラを持ち去ったこと
 (2)Y2をして、貴組合員X1の親元に、貴組合を非難する手紙を出させたこと
2 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
顧問夫人が組合員の実家へ送った手紙は明らかに組合運営に対する干渉にわたる内容で、会社の意を受けてなした不当労働行為とされた例。

3100 スパイ
会社役員ら多数が組合事務所に赴き、会社批判のビラを持ち帰ったことが組合に対する支配介入とされた例。

3410 職制上の地位にある者の言動
3609 その他
組合のビラまきに関して会社顧問が分会長に対してなした言動は、組合ビラに労務ゴロ等の表現があることなどについての修正を要求したにすぎず、不当労働行為ではないとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
別組合役員との暴力行為により休んだ組合員らの取扱いに関し、会社部長が病気欠勤とするかは検討するなどと発言したことは、支配介入とはいえないとされた例。

1600 休暇の取扱い
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
分会員3名の病気欠勤届の理由を組合が言うように「別組合副委員長らの暴力による負傷」と認めなくても、実際には病気欠勤扱いとしている以上、いやがらせによる支配介入とはいえないとされた例。

3102 争議対抗手段
会社顧問が組合事務所から持ち去った会社批判ビラの1枚を組合分会長の自宅の下駄箱へ置き去ったことが不当労働行為にはあたらないとされた例。

2700 威嚇・暴力行為
3700 使用者の認識・嫌悪
分会員3名に対する別組合副委員長らの暴行行為は、労働組合相互間の紛議の結果であり、会社がこれを黙認したとしても、直ちにこれを不当労働行為であるとまではいえないとされた例。

2611 その他の従業員の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
別組合の者と称する10名程度の者が申立人組合の委員長宅を訪れ、委員長を出せと言ったこと等は会社のなした不当労働行為であるとの申立てにつき、会社が関与したとの証拠はないとして棄却した例。

業種・規模  食料品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集69集458頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]

顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 昭和56年(不再)第30号/他 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和59年 4月18日 決定 
中労委 昭和56年(不再)第31号/他 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和59年 4月18日 決定 
 
[全文情報] この事件の全文情報は約341KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。