概要情報
事件名 |
昭光化学工業 |
事件番号 |
中労委 昭和54年(不再)第19号
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再審査申立人 |
昭光化学工業 株式会社 |
再審査被申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方本部 |
命令年月日 |
昭和55年 2月20日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
団交主体が不明確であることを理由に団交拒否したこと、他の従業員による副分会長に対するいやがらせや暴行を放置したこと、暴行による副分会長の欠勤に対して欠勤扱いとし賃金カットしたことが争われた事件で、誠意ある団交応諾、賃金カット相当額の支払い、組合員に対する暴行等放置による支配介入の禁止及びポスト・ノーティスを命じた初審命令中、賃金カット相当分の支払いを命じた主文第2項を取消し、主文第3項及び第4項を一部変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1. 本件初審命令主文第2項を取消し、本件救済申立て中賃金カット相当額の支払いを求める部分を棄却する。 2. 本件初審命令主文第3項中「他の従業員によるいやがらせ及び暴行を放置する」とあるのを「他の従業員らによるいやがらせ及び暴行の制止並びに防止について積極的な措置を講じない」に改める。 3. 本件初審命令主文第4項中「暴行を放置した」とあるのを「暴行の制止並びに防止について積極的な措置を講じなかった」に、「第7条第1号、」とあるのを「第7条」に、それぞれ改める。 4. 本件初審命令主文中第3項を第2項とし、第4項を第3項とする。 5. その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2113 交渉団体として不適格
団交申入書の記載自体いささか問題があり、団交主体の当事者が地本か分会か明確でないとして会社が釈明を求めたことに無理からぬものがあるが、団交当事者適格の問題に固執して団交を拒否したのは、会社職制の言動と併せ考えると、正当な理由なく拒否したものと認めるのが相当である。
1203 その他給与決定上の取扱い
従業員らの暴行による副分会長の欠勤については、同人が欠勤扱いを了承しており賃金カット相当額の支払いを命じた初審命令は相当でないとされた例。
2700 威嚇・暴力行為
他の従業員による副分会長に対するいやがらせや暴行等の制止あるいは防止について積極的な措置を講じなかったことが、同人の地本脱退や他の従業員の地本加入阻止を期待してなされた不当労働行為とされた例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集67集669頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 昭和55年4月10日 648号 29頁 
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