概要情報
事件名 |
東洋鋼板 |
事件番号 |
中労委 昭和52年(不再)第84号
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再審査申立人 |
東洋鋼板 株式会社 |
再審査被申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方本部 |
命令年月日 |
昭和53年11月15日 |
命令区分 |
全部変更(初審命令を全部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
いわゆる駆けこみ訴えによる団交が争われた事件で、団交拒否の禁止、陳謝文の手交及び掲示を命じた初審命令を、会社が団交申入れの時期が著しく遅れていることを理由にこれを拒否することには正当な理由があるとして取消した。 |
命令主文 |
本件初審命令主文を取消し、本件救済申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2111 唯一交渉団体条項
一般にユニオン・ショップ協定は労働者が当該協定当事者の労働組合の組合員であることを要求するもので、その組合員が他の組合の組合員であることを排除するものでなく、ユ・シ協定を締結している別組合のみが唯一交渉団体で、当該組合は「雇用する労働者の代表者」の「代表者」には当らないとする会社主張は採用できない。
2301 人事事項
被解雇者の解雇あるいは退職条件等に関連する事項が団交事項の場合には、当該被解雇者は労組法7条2号の「雇用する労働者」に含まれると解すべきであって、民法上の「雇傭」を前提とする会社主張は採用できない。
2301 人事事項
一般的には、被解雇者が解雇された後組合に加入し、その助力を求めた場合には、その組合は、解雇問題につき社会通念上合理的期間内に申込まれた団交における労働者の代表者であると認められるが、本件被解雇者の組合加入が解雇後2年を経ており、同人の組合加入後も組合は約6年間は団交を申入れをすることなく、団交によって解決をはかろうと考えていとものとは解されず、またいわゆる駆けこみ訴えによる団交申入れとしても相当性を欠くもので、団交申入れの時期が著しく遅れていることを理由に拒否したことが不当労働行為であるとした初審判断は失当であり、取消しを免れない。
2241 他の係争事件の存在
解雇問題が裁判で係争中であることを理由に、同問題に関する団交申入れを拒否できないとされた例。
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業種・規模 |
鉄鋼業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集64集777頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 昭和54年2月10日 628号 18頁 
労働判例 1979年1月10日 308号 105頁 
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