労働委員会命令データベース

[命令一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  東洋綱板 
事件番号  神奈川地労委 昭和52年(不)第11号 
申立人  総評全国一般労働組合神奈川地方本部 
被申立人  東洋綱板 株式会社 
命令年月日  昭和52年11月29日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  いわゆる駆けこみ交渉をめぐる事件で、団交応諾、陳謝文の掲示と手交を命じた。 
命令主文  1 被申立人会社は、申立人組合が申し入れる同組合員X1の解雇問題についての団体交渉を拒否してはならない。
2 被申立人会社は、申立人組合に対し、本命令交付後1週間以内に下記陳謝文を手交するとともに、縦1メートル、横2メートルの白色木板に鮮明に墨書し、本社及び総合研究所の各正門かたわらに見易い高さを保って向う2週間毀損することなく掲示しなければならない。
          陳  謝  文
 当会社は、X1解雇問題についての貴組合からの団体交渉申入れを正当な理由なく拒否しましたが、これは労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると神奈川県地方労働委員会から認定されました。
 会社は、これを深く反省し、今後再びかかる行為を一切繰り返さないことを誓約いたします。
   昭和  年  月  日
 総評全国一般労働組合神奈川地方本部
 執行委員長 X2 殿
         東洋綱鈑株式会社
           代表取締役 Y1 
判定の要旨  2112 雇用する従業員不存在
被解雇者が解雇を争う限り潜在的雇用関係が存在しているものであり、かかる労働者が加入する労働組合が、当該使用者に対する関係においてその労働者の利益を保護する立場にあることは当然のことであって、X1は一貫して不当解雇として争っており、組合の指導援助を求めて申立人組合に加入したのであるから申立人組合の団交申入れは当然であり、組合加入時期が解雇後2年を経ていたとしても会社が問題とすべきことではなく、これをもって組合の団交資格なしとすることはできない。

2111 唯一交渉団体条項
一般に使用者がある労働組合と唯一交渉団体協定を締結していても当該組合以外の他組合から団交申入れのあった場合には、これを拒否することはできないものと解すべきであり、申立組合はX1の解雇問題については正当な団交権を有するものであるから、ユ・シ協定を締結している別組合のみが唯一交渉団体であるとの会社主張は当を得ない。

2230 不穏当な態度
団交申入れの際におきたトラブルに藉口して団交を拒否する会社の態度は是認できないとされた例。

2241 他の係争事件の存在
解雇問題が裁判係争中であることを理由に団交を拒否した会社の態度は是認できないとされた例。

業種・規模  鉄鋼業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集62集549頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]

顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 昭和52年(不再)第84号 全部変更(初審命令を全部取消し)  昭和53年11月15日 決定