概要情報
事件名 |
新幹線ビル |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和52年(不)第6号
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申立人 |
合化化同一般総連化学一般労連関東地方本部全統一労働組合 |
被申立人 |
株式会社 新幹線ビル |
被申立人 |
東和精巧 株式会社 清算人 Y2 |
命令年月日 |
昭和53年11月 1日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社社長が、組合分会長に組合脱退を勧奨したこと及び採用手続不明確なままに採用された組合員を、勤務成績不良、業務不良を理由に解雇したことが争われた事件で、原職復帰及びバックペイ(年5分相当額の加算を含む)、支配介入の禁止及びポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社新幹線ビル及び同東和精巧株式会社は、共同して次のことを含めX1に対する昭和51年11月25日づけ解雇がなかったと同様の状態にしなければならない。 (1) 原職または原職相当職に復帰させること。 (2) 解雇の日から原職復帰までの間支払われるべき賃金相当額に年5分相当額を加算して支払うこと。 2 被申立人株式会社新幹線ビル及び同東和精巧株式会社は、分会長X2に対し脱退強要を行うなどして申立人組合の運営に支配介入してはならない。 3 被申立人株式会社新幹線ビル及び同東和精巧株式会社は、本命令交付の日から1週間以内に縦1メートル以上、横2メートル以上の紙に下記のとおり明記し、守衛所付近の見易い場所に毀損することなく14日間掲示しなければならない。 誓 約 書 貴組合の組合員X1に対する昭和51年11月25日づけ解雇及び貴組合の組合員に対する組合脱退強要について、神奈川県地方労働委員会から労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。 会社は、これにつき深く反省するとともに、今後かかる行為を再びくりかえさないことを誓約いたします。 昭和 年 月 日 合化化同一般総連化学一般労連関東地方本部全統一労働組合 中央執行委員長 X3 殿 株式会社 新幹線ビル 代表取締役 Y1 東和精巧株式会社 清 算 人 Y2 |
判定の要旨 |
4916 企業に影響力を持つ者
T社がX1を解雇したかたちにはなっているが、Sビルの代表取締役Y1が解雇をほのめかしたこと並びにX1に対する業務上の指揮、監督は、T社が駐車場管理を請負う前後を通じてSビル企画部長が行っていたこと、X1はT社の従業員となった後もSビル固有の守衛業務に従事し、賃金をSビルの会計担当から受けとっていたこと等の事実を勘案すると、Sビルは、X1の労働条件等に対し、現実的かつ具体的な影響力ないし支配力を有するものと認められ、SビルもまたT社と同様に労組法の使用者に該当するものと判断する。
0500 勤務成績不良
ビル駐車場の守衛であるX1に対する駐車場内の事故、接客態度等勤務成績不良を理由とする解雇が不当労働行為とされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
Sビルの代表取締役で、またT社会長であるY1が、分会長X2に対し、組合結成及び上部組合加入の時期に「組合をやめれば賃金を引上げる」等の言動を行ったことが不当労働行為とされた例。
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業種・規模 |
その他の事業サービス業(建物サービス業、民営職業紹介所、警備業等) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集64集399頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1979年3月1日 311号 74頁 
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